NECは4月1日、グループのサイバーセキュリティ専門会社インフォセックを母体とした新会社「NECセキュリティ」を発足した。グループ全体のサイバーセキュリティ事業を推進する。企業が保有するデータを起点にセキュリティ戦略策定支援や運用監視などを行う「データドリブンサイバーセキュリティサービス」を中核に据えた製品ポートフォリオを展開し、2025年度の同サービスの売り上げは220億円、グループ全体のサイバーセキュリティ事業では500億円の売り上げを目指す計画だ。
NECセキュリティ
北風二郎 社長兼CEO
NECセキュリティは、インフォセックの従業員にグループ会社からの出向者を加え240人体制となる。社長兼CEOには、インフォセックの北風二郎・社長兼CEOが就任した。
北風社長は同社の強みとして、「NECグループでのセキュリティ対策の実績および知見」「政府機関や民間企業へのデリバリーおよび運用の豊富な実績」「高度なサービス提供を支えるセキュリティ高度専門人材」の三つを挙げ、「これらの強みを生かし、お客様の抱える人材不足、運用やリスクコントロールといった課題を解決する」と語った。
NEC
後藤 淳 ディレクター
グループ全体のサイバーセキュリティ事業推進体制も刷新する。NECのサイバーセキュリティ事業統括部の後藤淳・ディレクターは、「NECセキュリティを中核に据え、セキュリティのケイパビリティを持つグループ各社の強みを連携させるグループ横断の『セキュリティCoE(Center of Excellence)』を発足し、事業の遂行体制を強化する」と説明した。
データドリブンサイバーセキュリティサービスは、NECセキュリティのデータレイクに顧客のシステムログや資産管理情報を集約し、専門家が分析、対策状況などをスコアリングし、ダッシュボードを通じて提供する。結果を基に、セキュリティ戦略策定から製品導入、SOCによる運用監視・対処まで一気通貫で支援するとしている。
(岩田晃久)