SBIビジネス・ソリューションズは、主力の中小企業向け請求書発行サービス「請求QUICK」のユーザー数がサービス開始から1年3カ月余りで3000社を超えたと発表した。2023年10月のインボイス制度への対応を直前に控えて需要が高まっているのに加えて、地方銀行との協業を積極的に推進。22年10月時点で東京に事業所を置くユーザー企業が38%、地方ユーザーが62%の構成比だったのに対して、直近では東京15%、地方85%へと「地方ユーザーを開拓できたことがユーザー企業の総数を大きく押し上げ」(夏川雅貴社長)につながった。
夏川雅貴 社長
地方市場の開拓に当たっては、地銀や信金との協業を積極的に進め、島根銀行や北陸銀行、福島銀行などおよそ20行が請求QUICKのパートナープログラムに参加している。同プログラム参加第1号となった島根銀行では、地場企業のインボイス制度への対応を後押しするため23年4月から重点的に請求QUICKの活用支援を展開。9月末までに400社の利用を目標に設定したところ、「予想以上に反響が大きく、8月の段階で目標を前倒しで達成できる見通し」(島根銀行の永江敬・営業推進グループ部長)と手応えを感じている。島根銀行は自社でも請求QUICKを採用するとともに、各拠点で勉強会を開催するなど理解を深める努力を続けてきたことが奏効したとみている。
請求QUICKは、改正電帳法に対応した電子保存、請求書の入金消込、請求書買い取りなどをひとまとめにしたサービス。23年9月をめどに請求書の受取サービスを始める予定で「発行から受取までの総合的な請求書管理サービスへと発展する」(夏川社長)見込み。IT予算の限られた中小企業をターゲットとしていることから毎月50件の請求書発行枚数まで無料で使え、以降1件ごとに税別30円の低い価格設定にしていることも利用社数の増加を後押しした。
(安藤章司)