SAPジャパンは国内におけるAI分野での協業に注力する。SAPの各製品にパートナーのAIテクノロジーを組み込み、企業のビジネス成長やユーザー体験の向上につなげる。9月19日には日本マイクロソフト、日本IBM、グーグル・クラウド・ジャパン、DataRobot Japanとの連携が発表され、今後もさらに提携を拡大していく考えだ。
協業ではSAPユーザーへの提供価値の最大化、AI活用ユースケース追加に向けた研究開発などを進める。具体的な連携例としては▽AIエンジンのOEMでの組み込み▽API経由でのクラウド間連携▽データ基盤層での統合▽生成AIスタートアップへの投資─などが想定される。
稲垣利明 バイスプレジデント
SAPはこれまでにもERPをはじめとする幅広いソリューションで自社のAIテクノロジーを活用している。ただ、AIは進歩が速く、「新しいテクノロジーを積極的にお客様に提供していくために、オープンエコシステムをつくることがポイントになる」(SAPジャパンの稲垣利明・バイスプレジデントEnterprise Cloud事業統括)との観点から、協業に乗り出した。
19日の報道向け説明会では、協業各社が具体的な取り組みを紹介。日本マイクロソフトは生成AIを活用した人材採用・育成の支援、日本IBMは「watsonx」によるアシスタント機能の強化、グーグル・クラウド・ジャパンはAIによるデータの分析・利用の促進、DataRobot JapanはAIモデル作成のためのデータ連携などの分野で、SAPソリューションとのシナジーを生み出しているとした。
稲垣バイスプレジデントは各社との連携の枠組みはグローバルで構築されているとする一方で「日本のお客様からの要件、ユースケースを(日本法人の)5社で受け止め、価値として提供できるよう連携したい」と意気込んだ。
(藤岡 堯)