日本ヒューレット・パッカード(HPE)は11月30日、2024年度の事業戦略説明会を開いた。オンプレミスのITインフラを従量課金制で提供する「GreenLake」の拡大を目指し、エッジ、ハイブリッドクラウド、AIの3領域に注力することで、企業方針の「Edge-to-Cloud Company」をさらに加速させるとした。
望月弘一 社長
望月弘一社長は、23年度のグローバルの業績を紹介した。売上高は前年度比5.5%増の291億ドル、売上総利益率は35.3%と「堅調な成果を出せた」と報告。なかでも、GreenLakeをはじめ同社が戦略的に注力する領域が好調だったとした。
市場の状況については、これまで以上にクラウドプラットフォームが分散化していくと見通し、「お客様は一貫したクラウド体験を期待しており、分散した環境をいかに有機的に結合し効率化していくかが求められる」と述べた。ITインフラにおいてオンプレミスかパブリッククラウドかという選択肢の中で、GreenLakeを第三極のクラウドプラットフォームとして拡大し好調な業績をさらに伸ばしていく考えで、「お客様のビジネス変革と持続可能な社会に貢献していく」と意欲を示した。
注力分野として紹介したエッジ、ハイブリッドクラウド、AIの3領域について望月社長は「さらに幅広いテクノロジーで完成度を高めていき、この分野のリーダーを狙う」と説明。販売戦略では新しい取り組みとして、顧客の購買サイクルに合わせて適切に製品を案内する提案型の「スペシャリティセールス」の拡大、パートナーとの協業の深化を挙げた。
パートナー向けでは、GreenLakeの販売を促進する報奨金などの支援策「Partner Ready Vantage」を11月に開始したことを紹介した。GreenLakeはこれまではカスタマイズでの提供がメインだったが、パッケージ型での提供もスタート。パッケージ型は支援策と連動してパートナー経由での販売拡大を期待しているとして「パートナーとのより密な協業が重要になる」と述べた。
(堀 茜)