キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は4月22日、財務会計/人事給与システム「SuperStream-NX」の新しいオプション機能として、デジタルインボイスの発行や受け取りができる「デジタルインボイスオプション」を発表した。2023年10月のインボイス制度開始後、紙やPDFの確認などで煩雑になっている請求書に関する業務を効率化できるとしている。6月1日から提供する。
オプション機能では、国際規格のPeppolをベースにした国内の標準仕様(JP PINT)に準拠したデジタルインボイスの発行や受領が可能。送り手は、「SuperStream-NX統合会計」に計上した債権伝票からデジタルインボイスを作成し、取引先に送信できる。受け手は、Peppolネットワーク経由でデジタルインボイスを受信し、処理状況などのステータスを管理できる。2025年に43社への導入を目指し、29年の導入社数の目標は420社と設定した。
キヤノンITSの村松昇・常務執行役員(左)と山田英樹・SSマーケティング部長
SuperStream-NXは、毎年6月に新しい機能が追加されており、今回のオプション機能もその一環。キヤノンITSは、25年6月の機能拡張では、受け手がデジタルインボイスから伝票を自動作成できるようにする予定だ。
導入拡大に向けて、販売パートナー向けの取り組みに力を入れる。5月には、これまでの機能拡張時などと同じように、SEを対象とする製品説明会を開催する。6月には、これまであまり実施していなかった営業担当向けセミナーを開き、エンドユーザーに対するデジタルインボイスの説明方法を紹介する。
SuperStream統括本部SuperStream営業本部の山田英樹・SSマーケティング部長は「オプション機能を利用することで、さまざまなメリットが享受できる。特に業務効率化に関しては、紙やPDFでのやり取りから大きく前進し、宛先の間違えなどの人為的ミスが防止できる。ほかにもペーパーレス化やコスト削減、セキュリティーの向上などの効果も見込める」と説明した。
常務執行役員の村松昇・SuperStream統括本部長は「インボイス制度によって煩雑になったチェック作業から経理の皆さんを解放し、できた時間をよりクリエーティブな仕事に向けていただきたい」とし、「生産性を高める仕組みをどんどん提供していきたい」と語った。
(齋藤秀平)