サイバネットシステムは4月17日、AIを活用した内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-EYE(エンドブレインアイ)」について説明した。EndoBRAIN-EYEは6月から診療報酬の加算対象とされる見込みで、医療機関へのAI医療機器の導入拡大を目指す姿勢を示した。
EndoBRAIN-EYEは、大腸内視鏡画像を基に医師の診断を支援するAIソフトウェア群「EndoBRAINシリーズ」の一つ。病変の検出機能を搭載しており、内視鏡操作画面内のポリープを検出し強調表示する。
渡瀬順平 取締役執行役員
リアルタイムで結果を表示する低遅延性によって、医師が内視鏡を操作するスピードに対応できるほか、腫れが見られず肉眼では判別が難しい上に悪性度が高い「陥凹型大腸がん」の検出が可能などの特徴がある。臨床実証などを通じて腫瘍検出率の向上が認められた。今後は、EndoBRAIN-EYEで病変を検出した後で内視鏡切除を実施した場合、診療報酬が60点加算されるようになる。
これまでEndoBRAIN-EYEを活用しても診療報酬が加算されなかったため、医療機関では導入費や維持費がハードルとなっていた。また、現場において、診療報酬が得られない医療機器の採用が難しいとの課題もあった。診療報酬の加算対象となることで、同社は医療機関におけるEndoBRAIN-EYEの導入意欲が高まるとみている。
渡瀬順平・取締役執行役員は「AIを含めた先進的なデジタル技術で、病気の早期発見や早期治療を支援する。これにより、医師や患者の負担軽減だけでなく、その先にある社会全体の医療費増大の抑止に貢献したい」と力を込めた。
(大向琴音)