ミロク情報サービスのビジネスモデルの転換が順調に推移している。注力するクラウド・サブスクリプション型ビジネスを含む2023年度のサービス収入は前年度比14.1%増の162億5900万円と拡大し、全売上高439億7100万円の37%を占めた。今後も需要は継続すると分析しており、本年度は売上高構成比を40.6%まで引き上げる方針だ。
クラウド・サブスク型ビジネスが好調に推移したのは、既存のオンプレミスユーザーに移行を促したほか、パートナーである会計事務所の顧問先を中心に新規企業の獲得を進めたことが奏功した。クラウド・サブスク型ビジネスの伸長により、ソフト使用料全体のARR(年間経常収益)は42.3%増の64億6100万円となった。
是枝周樹 社長
是枝周樹社長は「DX推進の御旗を振る中で、それに関連する製品・サービスが、アップセルにつながったり、新規企業の目にとまったりした」と語る。全国各拠点で実施したイベントや自社サイトでのデジタルマーケティングによって、製品・サービスの認知度が向上。インボイス制度や改正電子帳簿保存法絡みの需要も追い風になったとみる。
インボイス制度などの制度改正に伴うシステム導入は、23年に大きく盛り上がったが、是枝社長は「まだこれから」と話す。引き続き、既存ユーザーの移行を進めるとともに、新規については主に年商50~500億円規模の企業からの引き合いを見込む。販売の拡大に向け、導入前のコンサルティングをさらに強化する。具体的には、ITコーディネータの取得などを通じて営業のスキルアップに取り組む。将来的に一つのサービスとして確立させ、収益の拡大につなげる構想を描く。
本年度は、売上高全体で455億円、うちサービス収入は184億5600万円を目標に掲げる。是枝社長は「プロダクトミックスの大改革をしっかり実現させる」と意気込む。
(齋藤秀平)