スイッチや無線アクセスポイントなどのネットワーク機器を手掛ける米Extreme Networks(エクストリームネットワークス)は、国内での事業が急速に拡大し、同社のグローバルビジネスの中で日本市場の成長率が最も高くなったことを明らかにした。日本法人の横山尊信社長によると、公共および文教分野での導入が大きく伸びたといい、7月から始まる同社の2025会計年度でもこの領域向けの営業活動に注力する。
横山尊信 社長
同社の製品は、機器間を仮想的なネットワークで接続する「Fabric Connect」技術をベースとしているのが特徴。機器同士が最も効率的な通信経路を自律的に確立するため、従来ネットワークを構築する際に必要だった、コアからエッジに至るまでのトポロジー(構成)設計が不要となるという。
横山社長は「自治体や企業ではネットワークの設計・運用にかかるトータルコストをいかに低減するかが課題となっており、近年ではここにセキュリティーの観点が加わっている」と話し、技術者の確保が難しい状況下で、ネットワークに求められる複雑な要件にどう対応するかが重要なテーマになっていると説明。同社では数年前から中央省庁向けの提案を強化しており、導入先の機関でコスト削減などの効果が実証されたことから、ここ1年で地方自治体を含む公共分野や、文教市場での採用が加速した。
営業面では、通信事業者との連携を強化したことも販売拡大に貢献した。通信事業者各社では、回線の契約に加えて、ユーザーのネットワークの構築・運用にまでサービス提供範囲を広げようとする動きが活発になっており、ここでエクストリームネットワークスの製品が活用された。また、国内でのディストリビューターとのパートナーシップも拡大し、販売チャネルの充実を図っている。
横山社長は「製品がもつ競争力の高さに比べ、認知度がまだまだ低いのが課題」とし、適切な訴求によって市場全体の平均を大きく上回る勢いで成長できるとの見方を示す。公共・文教に加え、商業施設やホテル、スタジアムなど、多数の機器の運用効率化にニーズがある分野での提案にも力を入れる。
(日高 彰)