米A10 Networks(A10ネットワークス)のドゥルパド・トリベディ社長兼CEOと日本法人の川口亨社長は、週刊BCNの取材に応じ、直近のビジネス状況や戦略について説明した。インフラとセキュリティーを注力領域として、製品の強化と販売活動を強化する方針を示した。
左から、米A10 Networksのカレン・トマス・セールスVP、
ドゥルパド・トリベディ社長兼CEO、
日本法人の川口亨社長
インフラでは、企業のシステム環境のハイブリッドクラウド化が進んでいることから、柔軟な課金体系を用いることで、ADC(アプリケーション配信コントローラー)製品などを、これまで以上に導入しやすいようにするという。また、トリベディ社長兼CEOは「AI利用が進みトラフィックが増大、複雑化している。それに対応できる新しいプラットフォームの開発を進めている」と語った。
セキュリティーについてトリベディ社長兼CEOは「サイバー攻撃が大規模化する中では、ネットワークとセキュリティーの融合を強めていく必要がある」と見解を述べた。その上で、DDoS攻撃対策総合ソリューション「A10 Defend Suite」などの販売に注力する考えだ。
川口社長は、国内のビジネスについて「2023年は、メインの顧客であるサービスプロバイダーに加えて、官公庁を含む公共、エンタープライズの顧客獲得が進んだ。われわれが取り組んできた戦略の成果が出た」と手応えを示した。パートナー向けの施策では、引き続きサポート体制の充実を図るとした。
カレン・トマス ・セールスVPは日本市場について、「安定しており成長を遂げている。今後は、既存のお客様に対してのプレゼンスを高めると同時に、エンタープライズ領域の基盤を拡大させていきたい」と抱負を語った。
(岩田晃久)