音声認識ソフト開発のアドバンスト・メディアは、議事録プラットフォーム「VoXT One」の提供を9月9日から始めた。議事録作成や文字起こし、要約などに使うアプリケーションをVoXT One上で一元的に利用できるほか、「用途に応じてスタンドアローン版とクラウド版を使い分けられる」(大柳伸也・取締役執行役員事業本部本部長)利便性が特徴だ。
大柳伸也 取締役
企業の経営会議や自治体の非公開会議などの秘匿性の高いケースでは、PCに個別インストールして使うスタンドアローン版の利用が適しており、秘匿性がそれほど高くない日々の会議や、公開を前提としている議会の議事録などはクラウド版のほうが使い勝手がよい。両アプリはVoXT Oneの共通アカウントで使い分けられる。
志村亮一 執行役員
VoXT Oneの投入に合わせて、米OpenAI(オープンエーアイ)の最新生成AIモデル「GPT-4o」を議事録の要約で利用できるようにした。米Microsoft(マイクロソフト)の「Azure OpenAI」と接続してGPT-4oを利用でき、従来の「GPT-3.5」より精度を高めた。「議事録データをAI学習用に使わない設定」(志村亮一・執行役員事業本部VoXT事業部部長)になっており、学習を通じて議事録情報が漏えいしない仕様になっている。
今後はVoXT One上で利用できる関連アプリを順次追加する。現在、自治体が住民向けに作成している広報誌や、議会の答弁書の作成をそれぞれ支援するアプリを茨城県取手市との実証実験を通じて開発中で、早ければ本年度(2025年3月期)にもラインアップに加える予定だ。
同社によれば、全国の自治体の45%に相当する810団体が同社の議事録作成アプリを利用しており、自治体向けのシェアはトップクラスという。
(安藤章司)