イトーキは11月20日、会議室不足を解消するための新ソリューション「Reserve Any」を発表した。東京大学と共同開発したアルゴリズムを組み込み、会議室利用にポイント予約制を採用することで無駄な予約を防止。利用人数などに応じて最適な場所を割り当てて稼働率を高める。2025年2月から提供を開始する。
同社は、コロナ禍を経て働き方が多様化する一方、社員の出社率の増加などで会議室不足に悩む企業が多いと指摘。その原因として▽利用人数より大きい会議室を使う▽予約が入れられない隙間時間が発生する▽特定の会議室や時間帯に予約が集中する―といった問題があると分析し、これらを解決するソリューションを新たに開発した。
Reserve Anyは、会議室の予約に際して、部署や個人に付与したポイントを使っての予約制を採用。ホテルや航空券などの価格決定に使われているダイナミックプライシング機能を会議室に応用し、需要が高い時間帯や広さなどに応じて、会議室ごとに必要ポイント数を日々変動させ、保有ポイント内で適正な予約をするよう促す。また、システムに組み込んだアルゴリズムが、予約できない隙間時間が最小限になるよう、最適な部屋を自動で割り当てることで、利用率を最大化する。
販売ターゲットは、1000人程度の大規模オフィスとし、料金は利用人数や部屋数に応じた課金制。スケジュール管理ツールとして多く使われている「Outlook」にアドインする方式で提供する。既存オフィスへの導入に加え、オフィスのリニューアルなどの際に設計初期の段階から提案する。新ソリューションは、同社が推進しているオフィスDXビジネス「オフィス3.0」領域の新製品。オフィスのデータ分析によるコンサルティングサービスなどと併せて、同領域で26年度に30億円の売り上げを目指す。
藤田浩彰 部長
商品開発部ソリューション開発統括部の藤田浩彰・ビジネス開発部部長は「導入前にどの程度稼働率が上がるかシミュレーションもできる。会議室を増やせなくても、今ある会議室を有効活用し、生産性を上げてほしい」と述べた。
(堀 茜)