米Akamai Technologies（アカマイ・テクノロジーズ）は1月23日、セキュリティー技術「マイクロセグメンテーション」をテーマに記者説明会を開催した。ランサムウェア攻撃による被害が拡大する中、グローバルでマイクロセグメンテーションを用いた製品の利用が拡大していることを明らかにした。

　マイクロセグメンテーションは、ネットワークを細かくセグメント化し構成する技術。ネットワーク内のサーバーなどが、ランサムウェアをはじめとしたマルウェアに感染した場合、各セグメントの境界で不正な通信を制御し、攻撃のラテラルムーブメント（横展開）を阻止できる。


　同社は2021年にイスラエルGuardicore（ガーディコア）を買収。現在は、ガーディコアの技術をベースとしたマイクロセグメンテーション製品「Akamai Guardicore Segmentation」を販売している。ラミ・カーツ・製品管理担当バイスプレジデントは「ランサムウェア攻撃による被害の拡大、各種規制の強化などを背景に、マイクロセグメンテーション製品の採用が広がっている」と述べ、グローバルでの製品利用社数は約1000社に上るとした。直近の大型事例として、大手自動車メーカーや大手SIerのほか、米国陸軍といった特殊な組織においても採用されていると紹介した。一方で国内市場については、「一部のアーリーアダプターでの採用は進んでいるが、米国市場などと比べると立ち上がりは遅い。しかし、マイクロセグメンテーションへの関心は高まっている」との見解を語った。

　現在は、サポート体制の充実を進めている。Akamai Guardicore Segmentationの認定資格の取得者はグローバルで約3000人、専門のサービスエンジニアは約200人いるとし、今後は日本をはじめ各地域でさらなる拡充を図る。製品のローカライズ化にも注力し、顧客獲得を目指す姿勢を示した。
（岩田晃久）