米Avanade(アバナード)日本法人は2月7日、都内の本社で事業戦略などに関する説明会を開き、同社が「成長市場」と位置付ける、SMBを中心とした顧客層に向けて特化したサービスに注力する方針を示した。鈴木淳一社長は過去5年間の日本法人の年間平均成長率が25%であることを引き合いに、成長市場向けでは、それ以上の成長率を目指す考えだ。
鈴木淳一 社長
アバナードでは新サービスを提供する成長市場について「米Microsoft(マイクロソフト)製品の導入意欲が高く、AIへの投資に前向きで最も成長する可能性を持つ市場」と定義する。鈴木社長は「業界によって想定される企業の規模は異なる」と前置いた上で「マイクロソフトのソリューションでITシステムを支える、という意思決定をしやすいお客様が多いと考える」と狙いを語った。
成長市場向けサービスは、サービス内容を一定程度パターン化し、コストを最適化して提供する。AI導入をスモールスタートで実現する点に特徴があり、インフラとなる「Microsoft Azure」から、ERP製品の「Dynamics 365」、業務アプリケーション「Microsoft 365」、各種セキュリティーツールなど、ITの各レイヤーでマイクロソフト製品をフル活用していく。
鈴木社長は「マイクロソフトのプラットフォームで完全に一つにすることは難しいと思うが、ライセンス、運用・保守するエンジニアの確保といった観点から推奨できるのではないか」とし、「新規のお客様、これまでわれわれと取引がなかったお客様をいかに増やせるかが、(ビジネスの)一つの指標になる」と展望した。
説明会ではこのほか米国本社が実施した企業のAI導入に関する調査の結果についても解説。日本企業からの回答によると、AI導入率は69%で世界平均の50%を上回り、AIの活用に意欲的であるものの、積極的なAI活用に対応できる人材育成や組織づくり、データガバナンス、新たな技術基盤のキャッチアップなどに課題があることが提示された。
(藤岡 堯)