Gen-AXはこのほど、コールセンターやバックオフィス向けに照会応答業務を支援する生成AIサービス「X-Boost（クロスブースト）」をリリースした。金融や小売りなどのエンタープライズ企業向けに販売を進め、問い合わせ業務の効率化を支援する。

　同社はソフトバンクの100％子会社で、生成AI分野のソリューション開発を行っている。クロスブーストは、照会応答業務を支援する生成AIサービスでSaaSとして提供。オペレーターが問い合わせ内容を入力すると、マニュアルやFAQなど膨大な社内データを検索、最適な回答案を自動生成し、生成された回答案は、必要があれば追加修正や補足を加えて最終的な回答に仕上げる。修正点はAI側で学習のフィードバックとして蓄積されるため、日々の運用を重ねるほど回答の精度が上がる仕組み。

　製品の特徴として、生成AIに投入するデータの前処理を自動化して最適な状態でAIに学習させるほか、個社データを活用した専用のモデルになるため社内用語の意味も理解できる点、専門的な知識がなくてもノーコードで少ないステップで運用できる点などを挙げた。先行導入企業からは「複数のマニュアルを横断的に検索できる」「回答の品質が均一化される」といった評価が寄せられているという。

　販売はソフトバンクの法人営業部隊が担当し、金融、小売り、製造業などのエンタープライズ企業をターゲットに、社内ヘルプデスクの運用効率化などを訴求。注力業界で事例をつくり、その他の業界への横展開を目指していく。
 
　砂金信一郎・社長CEOは「新人オペレーターでも、熟練者並みの回答を短時間で作成できるようになる。修正点があれば手動で追記し、それ自体が学習に取り込まれていく」と述べ、製品の優位性を強調した。現状はテキストでの対応だが、音声自動応答できる製品の開発も進めているとした。
（堀 茜）