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鈴与シンワート、鈴与シンワ物流の導入事例レポートの最終回を公開
2025/04/22 17:34
鈴与シンワ物流では、運行管理システム導入後、トンキロ(貨物の重量×それぞれの貨物の輸送距離)による燃料削減効果5%を目標値として2024年6月に補助金申請に応募し、平均5.3%の数値を出した。改善率が5%以上になるまで、配車計画を何度も練り直した点が一番苦労した点だったという。
導入後測定の開始当初は「輸送トンキロ」の概念が現場に浸透していなかったため、燃費の改善を優先していた。ドライバーにアイドリングストップや、早めのシフトアップを指示したり、平坦で燃料消費が少なそうな輸送ルートを選択したりするなど目先の燃費向上にこだわり、思うような結果を出すことができなかった。
しかし、何度か試行するうちに輸送トンキロによる測定効果は、輸送距離の長さと荷量の多さに比例して結果の値が大きくなることに気付き、配車管理の工夫に取り組んだ。調査対象車両を遠距離で荷量の多い配送先へ積極的に配車し、動態管理システムを駆使し渋滞回避をしたり、荷主と連携して輸送の効率化を図って空荷を減らしたりして、一運行当たりの輸送効率を高めた。その結果、目標をクリアすることができた。
運行管理システムをリプレイスしたことによる、勤怠管理可視化の効果は予想を上回ったという。従来は「連続運転4時間を超えないように」とドライバーに指導していても、高速道で渋滞が発生すると思うようにPAなどに入れず、4時間を超えてしまうことがあった。しかし、システム導入後は事前にビッグデータを活用して配車計画を組み、直近3カ月以内での渋滞予測を加味して運行ルートを作成したり、想定外の事故渋滞などで配車計画通りの運行ができない場合は、リアルタイムで付近を走行する車両へVICS情報をもとに適切な迂回ルートを一斉メッセージ送信したりしている。そのため、連続運転4時間を超えることがなくなり、手待ち時間や不要な高速道路利用の削減、輸送効率のアップにつながった。
さらに、管理者がリアルタイムで道路交通情報を把握することができるため、大雪が降った際も無理に帰社をさせず、状況に応じて途中のSAで9時間休憩を取らせるなどの指示を出せたため、影響は最小限で済んだ。
システム入れ替えの方針の現時点での達成度としては、「システムの中核である車載器は、IoTデバイスでリアルタイムに運転状況の把握ができるため、万一の事故や大雪などの災害時の効果は絶大。ドライバーの安全確保という点では、安心安全という社是にかなっている。業務効率化の面からみても、動態管理によって輸送効率が向上している。また、配車計画支援機能を使うと1運行当たりの運行経費の概算が表示されるため、車両収支が可視化され、運行経費とドライバー労働時間のバランスが取れた配車計画を立てることができるようになった」という。
ITリテラシーの向上については、「鈴与シンワートの物流コンサルティングを受けたことで、システムを選定する際のポイントや導入手順などについて非常に勉強になったが、まだまだ学ばなければならないことは多いと感じている。引き続き教示してほしい」としている。
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外部リンク
鈴与シンワート=https://www.shinwart.co.jp/
リアルタイム導入事例「鈴与シンワ物流 運行管理システム導入・効果測定編」=https://logistics.shinwart.co.jp/case/itconsul/ssb_4/