カスタマーサービスプラットフォームを提供する米Zendesk(ゼンデスク)は、製品へのAIエージェント活用を強化している。同社日本法人がこのほど開いた記者説明会では、3月にグローバルイベントで発表したAIサービスプラットフォーム「Zendesk Resolution Platform」について解説。AIと人間の知識を組み合わせることで自動化を進め、企業が顧客からの問い合わせ対応をさらに効率化することを支援する。
説明会では、エイドリアン・マクダーモット・CTOが製品の最新動向を説明した。Zendesk Resolution Platformは、「Zendeskエージェント」、「ナレッジグラフ」、「アクションとインテグレーション」、「ガバナンスとコントロール」、「測定とインサイト」の五つで構成。AIと人間の知識を組み合わせることで、企業の高品質な顧客対応を実現する。
エイドリアン・マクダーモット・CTO
マクダーモットCTOは、AIエージェント活用の方針について「AIエージェントはナレッジを集め、整理し、アクションが取れる準備をしたエキスパートになる」と説明。新しく発表したプラットフォームを段階的に導入することで、1~3年後をめどに、問い合わせの受付はすべてAIが行い、回答の80%を自動化できるようになるとの見通しを示した。業界によっては人と人とのやり取りを重視する場合があり、カスタマーサービスの構築において人とAIの組み合わせを重視していく姿勢を強調した。
ミッチ・ヤング・シニアバイスプレジデント
日本における販売戦略について、アジアパシフィック&ジャパン担当のミッチ・ヤング・シニアバイスプレジデントは、日本においても多くの業界で問い合わせ対応の自動化が求められている一方で、問い合わせ対応における最終的な意思決定にAIを使うよりも、サポートとして業務に使う形態が先行するとの見通しを示した上で、「金融、リテール、ゲームなどの業界で先行して拡販し、多くの企業に価値を届けたい」とした。
(堀 茜)