ロックウェルオートメーションジャパンは7月16日、記者説明会を開き、工場内のデジタルツインを構築する3Dシミュレーション製品「Emulate3D」に、生産工程のテストを効率化する機能「Factory Test」を追加したと発表した。人手不足といった課題を抱える製造業をデータ活用で支援する。
Emulate3Dは工場内で稼働する機械のCADデータや制御プログラムに加え、電気、デバイスの動作モデルといった多様なデータを組み合わせて製造工程を仮想空間内に作成する。Factory Testではテストシナリオを自動で実行する「テストランナー」や、シナリオをAIが作成する「フォルトフレームワーク」などの機能で、トラブルを防止する。
高松典彦 部長
また、新たに機械を導入した際の安全性の検証やバージョン管理などを支援する「DevOpsワークフロー」も搭載する。高松典彦・グローバルデジタル設計ツール部長は「動的な生産工程のシミュレーションができる点が強みだ。DevOpsのようなITの世界で当たり前の環境をOTの世界でも活用できるようになる」と強調した。
今後はIT系のパートナーとの協業を重視する。矢田智巳社長は「製造業を取り巻く課題に柔軟に対処する上で、絶えず変化する情報を設計に反映させるデータ活用が重要だ」と話した。
矢田智巳 社長
また、日本の教育制度上、機械や電気、制御、情報の基礎的な能力を備えたエンジニアが育ちづらい背景から、SIerとの協業に加え、教育機関とも連携した人材育成にも取り組んでいるとした。
(大畑直悠)