セールスフォース・ジャパンは1月29日、記者説明会を開き、同社のCRM製品などに実装するAIエージェントの機能群「Agentforce2.0」について説明した。AIエージェントの開発の効率化や外部システムの連携を強化したほか、ビジネスチャットツール「Slack」上で利用できるAIエージェント「Agentforce in Slack」の国内提供を開始したことを発表した。

　Agentforce2.0は2024年12月にグローバルで発表した同社のAIエージェントの最新版。AIエージェントに実行を許可するタスクや業務を遂行させる手順を事前作成済みのテンプレートとして提供する「AIエージェントスキルライブラリ」を搭載する。また、データ連携基盤「MuleSoft」を利用して外部システムも含むAIエージェントのワークフローが作成可能になった。


　今後は、事前作成済みのテンプレートの拡充を進める方針で、パートナーによる提供も開始する予定。専務執行役員の三戸篤・製品統括本部統括本部長は「当社のマーケットプレイス『AppExchange』上でAgentforceに関するエコシステムを確立したい」と述べ、「各パートナーが強みとして持つ業界業種などの専門的な知見を基にテンプレートを作成してほしい」と呼び掛けた。

　Agentforce2.0はSlackでも利用可能になる。CRMといったセールスフォース製品のデータやSlack内に蓄積した会話の履歴にアクセスして要約を作成したり、ユーザーの質問に回答したりできる。

　このほか、ドキュメントごとにメタデータを付与し、AIエージェントのパフォーマンスを向上する仕組みなども実装した。

　三戸専務は、Agentforceの有償ライセンス数は24年12月末時点で1000件を超えていると紹介し、「AIエージェントはすでに実装フェーズに入っている」と強調した。
（大畑直悠）