フリーは8月13日、2025年6月期の決算を発表し、売上高は前期比30.8%増の332億7000万円で当初の業績予想を上回った。調整後営業利益は18億8500万円、最終利益は13億7000万円となり、創業以降初の黒字着地となった。「freee人事労務」を中心とするクロスセルや会計事務所を通じた新規獲得顧客の増加、プラン改定などを背景に高成長を継続した。
ARR(年間経常収益)は343億9300万円で前期比31.8%増、うち法人向けは267億100万円で36.7%増加した。有料課金ユーザー企業数は13.9%増の60万6533件。うち法人は18.4%増の23万4072件と堅調に推移したが、目標の25万社には届かなかった。1有料課金ユーザー企業の平均単価(ARPU)は、法人向けは15.4%増の11万4072円だった。
坪井亜美 CFO
坪井亜美CFOは「25年度は極めて力強い業績を達成した」と評価。「以前のインボイスの法改正の追い風の後も、採用難の深刻化などで業務効率のためのクラウドソフトのニーズがある」として、今後も従業員数1000人未満の企業や個人事業主のマーケットにフォーカスしていくと話した。成長戦略の一つとして、会計事務所とその顧問先にとって必要不可欠なインフラを提供することでパートナーシップの拡大推進を今後も狙うとしている。
26年6月期の業績予想については、売上高は409億3000万~415億9000万円の堅調な成長を見込む。引き続き生産性向上に取り組む一方、中長期の成長を見据えた戦略的投資を実施するとして、調整後営業利益は24億6000万~25億円を目指す。
黒字化達成を受け、28年6月期までに対前期比売上高成長率と調整後フリー・キャッシュ・フローマージンの合計が40%以上になる「Rule of 40」の達成を目指すと財務目標をアップデートした。
(下澤 悠)