アイキューブドシステムズは10月23日、都内で「CLOMOユーザーミーティング2025」を開催し、モバイルデバイス管理(MDM)ソリューション「CLOMO」の導入事例や今後の製品計画を説明した。CLOMO事業本部プロダクトリーダーシップ部の原口琢磨・部長は、デバイスだけでなく情報資産保護のため、プロダクト連携を含めて価値を拡張していく方針を示した。
原口琢磨 部長
CLOMOは、スマートフォンやPCなどの業務用端末を一括管理できるMDMで、約8500社が採用している。10月21日には、Windowsアプリケーション配布機能を新たに搭載するなど、運用負荷の低減と配備・運用の柔軟性向上に焦点を当てたアップデートを実施した。
ユーザー事例として挙げた不動産を取り扱う明和地所では、約1000台のiPadをCLOMOで管理している。主にマンションなどの管理人向けに配布しており、高齢者が多いことから「カスタム管理スキーム」で必要な範囲の操作のみに設定を制限し、アプリの削除など誤操作を防いでいる。自動車ディーラーのネッツトヨタ福岡では、業務用端末の台数分、アカウントを用意する手間を解消するためCLOMOを導入。キッティングの負担を大幅に削減したという。
今後の製品強化は「機能向上」「運用効率向上」「プロダクト連携によるセキュリティー向上」を三本柱とする。特にゼロトラストの枠組みを前提に、脅威検知・防御やアクセス制御といったMDMの領域外にも対応していく。
iOS/macOSについては2026年3月から、デバイス側が能動的に管理者の定めた理想状態を適用・報告する「宣言型デバイス管理」への対応を順次進める。Androidでは、26年1月頃をめどに、ジオフェンス持ち出し時の警報機能を追加。Windowsでは、26年5月以降にBitLocker機能や操作ログ取得機能のリリースを目指す。
(南雲亮平)