日立製作所と東武鉄道は11月13日、東武宇都宮線の東武宇都宮駅から栃木駅までの12駅の改札に生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を導入し、顔認証による改札通過を可能にした。利用者は手ぶらで鉄道改札を通過できるようになる。今後は店舗での決済などさまざまな場面でSAKULaLaの展開を計画する。
SAKULaLaはカードやスマートフォンを用いることなく、デジタル空間上に保存されているデジタルアイデンティティーに、指静脈認証や顔認証を活用してアクセスする。これにより、決済やポイントの付与のほか、会員や年齢の確認などをワンストップで実現するプラットフォームサービス。事業者のニーズや利用シーンに応じて柔軟に認証方式が選択可能で、業種を横断してさまざまなサービスを手ぶらで利用できるようにすることで、「安心・快適な手ぶら社会」の実現を目指す。
両社は2022年8月にプラットフォーム構想の検討を始め、24年4月から指静脈認証を用いた機能の提供を行っており、上新電機や東武宇都宮ホテルのセルフチェックイン機など、現在まで約30店舗でSAKULaLaが導入されている。
SAKULaLaを活用し、ウォークスルーで改札を通過する様子
今回開始した顔認証による改札通過サービスは、「PASMO」定期券を登録している人を対象とする。改札付近に設置した独立型端末に顔をかざすことで、改札を通過できる。顔認証には、日立の特許技術を活用した公開型生体認証基盤PBI(Public Biometric Infrastructure)とパナソニックコネクトの顔認証を融合した技術が活用されている。26年春には、カメラ内蔵型の改札機が東部宇都宮駅に設置され、ウォークスルーで改札を通過できるようになる予定だ。
SAKULaLaが利用できる路線は順次拡大していく方針で、現状では東武東上線や東武アーバンパークラインの一部エリアへの導入を視野に入れている。将来的に、定期券以外の乗車券への対応や、他の鉄道事業社への導入推進を図る。
26年度以降は、店舗における決済端末「JET-Sシリーズ」との連携による決済や、オフィス入退など、鉄道改札以外にも顔認証の活用を広げていく方針。そのほか、コンビニや家電量販店、ショッピングモール、東京スカイツリーなど、全国の100カ所以上でSAKULaLaを順次導入するとした。(大向琴音)