日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2026年、ネットワーク事業に注力する。米国本社が米Juniper Networks(ジュニパーネットワークス)を買収し、事業規模が倍増したことを受け、複雑さを増すネットワーク運用の自動化や、AIに最適化したネットワークの提供といった方向で事業の拡大を目指す。両社のパートナーが双方の製品を取り扱えるようにすることで、市場でのシェア拡大を図る方針。執行役員の本田昌和・HPE Networking事業統括本部長は「ネットワーク市場で国内トップを目指す」と意気込んでいる。
(堀 茜)
本田昌和 執行役員
HPEのネットワーク事業は「Aruba」ブランドで展開してきたが、2025年にジュニパーネットワークスを統合し、事業規模は2倍、全事業に占める売り上げ比率は約3割になった。ブランドは統合せず「Juniper」製品も継続して提供し、2ブランドの製品に引き続き投資していく。1月から営業組織を一つにまとめ、新たな体制で事業を開始した。
HPE、ジュニパーともに国内では間接販売が大部分を占めており、パートナーを重視する姿勢は変わらないとする。両社のパートナーに双方の製品を取り扱ってもらう方針で、「双方の商品知識を紹介したり、販売につながるよう両社のパートナーをイネーブルメントしたりする取り組みはすでに開始している」(本田執行役員)。パートナープログラムは、今後1年間はHPEとジュニパーそれぞれのものを継続することが決まっており、パートナープログラムの統合もグローバルで検討が進んでいく見通し。AIで運用を自動化し最適化する「AI for Networking」と、AI活用のための最適なネットワークを提案する「Networking for AI」の2軸でシェア拡大を目指す。
統合を受けHPEは、ネットワーク管理プラットフォーム「Aruba Central」と「Juniper Mist」の機能の相互移植を進めている。HPE Networking事業本部の上田昌広・技術本部長は「双方が最新のクラウドアーキテクチャーであるマイクロサービスを使っており、かつAIネイティブな開発を行っているため、新しい機能やコンポーネントをスムーズに追加できている」と解説。「機能的な『いいとこどり』が進んでいくため、双方のパートナーからも期待を寄せていただいている」と話す。本田執行役員は「お客様やパートナーの一番のメリットは投資の保護にある」とする。機能統合で、どちらの製品を使っていても機能強化の恩恵を得られるためだ。
上田昌広 本部長
統合による大きなメリットの一つが、ポートフォリオの拡大だ。Juniperはデータセンター向けのルーターやスイッチなど高性能ハードウェアやAIネイティブな運用を強みとしており、「広範なネットワークのポートフォリオ全体をカバーできるようになった」(上田本部長)。本田執行役員は「顧客基盤、ビジネス規模でもトップの会社を追撃して追い越せる可能性が十分ある」と展望する。
同社は26年夏に、2ブランドのハードウェアを共通化し、顧客はCentralかMistを選んで運用する共通プラットフォームアクセスポイントを投入する計画だ。調達コストを下げ統合の価値をより高めることで、ネットワーク市場に攻勢を掛ける構えだ。