日本ヒューレット・パッカード(HPE)は11月20日、ハイブリッド・マルチクラウドの管理・運用を最適化するための統合サービス「HPE Unified Cloud Management」の提供を開始した。IT環境の管理・運用の最適化とシンプル化を実現するために、構想の策定から構築・運用まで一気通貫で支援する。
新サービスは、コンサルティングにとどまらず、企業のビジネス戦略に踏み込み、AIも用いて最適なクラウド環境を実現するための設計図と実践的な手段を提供する。「コンセプト整理」「構想・計画・検証」「構築・運用」までの3ステップを、アドバイザリーサービスとプロフェッショナルサービスとして展開する。
同社ではITインフラにおける重要な要素を、データ活用、ガバナンス強化、コスト可視化、AIによる可観測性向上などの八つの領域に設定。各領域を独立して検討するのではなく、各オペレーションが連動することで断片的、局所的な最適化を避け、市場競争優位性を確保していく。このうち、インフラの一元管理とインテグレーションによる継続的な最適化を実現する「PlatformOps」の領域では、同社のハイブリッドクラウド管理製品「HPE Morpheus Enterprise」が一元化と自動化を実現するソリューションとして大きな差別化要因になるとした。
狹間 崇 執行役員
新サービス提供の背景について、執行役員の狹間崇・アドバイザリー&プロフェッショナルサービス事業統括本部長は、日本市場においても生成AIの需要・活用が広がっている中、ハイブリッド・マルチクラウド、オンプレミス、エッジといったIT環境の使い分けは複雑化していくとの見通しを示し、「その都度、局所的に対応していては最適化の継続性を欠く。あらゆる課題に対して継続性を担保することは、真のハイブリッド・マルチクラウドをデザインする上で最も重要な要素になる」と説明した。
(堀 茜)