日本ヒューレット・パッカード(HPE)は12月15日、2026年度の事業戦略説明会を開いた。米Juniper Networks(ジュニパーネットワークス)の買収完了でネットワーク事業の規模が拡大することを受け、ネットワーク市場でのリーダーを目指す。また、オンプレミスのITインフラを従量課金制で提供する「GreenLake」を拡大し、ビジネス成長を加速させる方針を示した。
望月弘一 社長
同社は重点領域として、「ネットワーキング」「クラウド」「AI」の三つを示した。ネットワーク事業は、ジュニパーネットワークスの統合で事業規模が2倍となり、HPE全体の売り上げの3分の1を占める。IT環境のモダナイゼーションの出発点かつ中核と位置付け、複雑化するネットワーク環境の運用をAIで自動化することを目指すほか、AIワークロードに最適化したネットワークを提供していく。望月弘一社長は「ネットワークにおけるリーダーのポジションを確立したい」と意気込みを語った。
クラウド関連では、AI活用にあたりデータセキュリティーへの意識が高まり、プライベートクラウドへの回帰が進んでいると指摘。「プライベートクラウドをコンサンプション型で提供することが求められている」(望月社長)ため、オンプレミスかクラウドかの選択ではなく、それぞれのいいところを併せ持った環境としてGreenLakeに継続して注力する。AIエージェントを活用したIT運用のフレームワーク「HPE GreenLake Intelligence」も紹介した。
エンタープライズAI向け製品では「HPE Private Cloud AI」を訴求する。米NVIDIA(エヌビディア)のAIコンピューティング、ソフトウェアなどと、HPEのAIストレージ、GreenLakeクラウドなどを統合したオファリングで、事前検証済みの短期導入型ソリューションを顧客に届ける。
(堀 茜)