ソフトクリエイトは2月3日、記者説明会を開き、製造業向けの状況認識AIソリューション「メニナルAI」を発表した。さまざまなデータソースから収集した情報を用いて製造工程の“流れ”を可視化し、製造過程における不具合の発見や熟練者と新人の作業効率の差を埋めるために役立てる。中堅規模の企業に拡販を目指す。
鈴木大智 上席執行役員
メニナルAIは、ウェブカメラで得た静止画や動画、LiDARなどの各種センサーで得たデータを時系列に沿って統合することで、一連の工程の進ちょく状況の把握や手順通りに作業が進んでいるかといった品質管理に利用する。今後は熟練者が持つノウハウや暗黙知の把握を支援するサービスを拡充させる予定だ。上席執行役員の鈴木大智・企画統括部統括部長は「製造業における技術継承に着目したサービスだ。中堅製造業の現場の目になるAIとして日本の製造業を変えていきたい」と意気込んだ。
同社では導入コストやシステム運用の体制、セキュリティーといった課題で製造現場でのAI導入が進まないとみており、メニナルAIを軽量で導入しやすい製品として設計した。具体的には、直感的に操作できるUI/UXを追求したほか、小型のローカル生成AIと従来型アルゴリズムを組み合わせることで、クラウド型のAIに依存しない運用が可能だ。これにより、情報漏えいのリスクを最小限に抑えつつ、通信・クラウドの利用コストを削減できるという。
加えて、数枚の静止画からでも状況を認識できる仕組みを構築したことで、収集・解析できるデータが限られる環境でも低コストで導入が可能とした。畠山覚・事業推進本部製品開発部部長は「ITインフラやセキュリティーをメインで事業を展開するSIerとして顧客にとって本当に安全で安心と言えるAIを提供する」とアピールした。
顧客に導入する際は、要望に応じて伴走支援やSIサービスと組み合わせて提供する。導入期間は早ければ1週間、複雑な学習が必要な場合でも1カ月を見込んでいる。また、学習に使う画像データの整備を支援する製品も併せて提案するとした。
畠山 覚 部長
2026年夏頃には、予測や見守りの機能を追加し、製造計画に対する作業の現状を評価するサイクルを回せるようにする。また、26年中には機械の作動音といった音声データを基に状況認識を行う「ミミニナルAI」、物理機器の制御を担う「ウデニナルAI」の提供を予定し、製造業向けの「頼りニナルAIシリーズ」として進化させる構えだ。畠山部長は「今後来るフィジカルAIの時代で必須とされる状況認識の基盤になりたい」と力を込めた。
(大畑直悠)