インプレスの「窓の杜」(http://www.forest.impress.co.jp/)は、オンラインソフトの世界では定番サイトとして定着している。オンラインソフトの最新動向に関する情報と、オンラインソフトをダウンロードできるライブラリーを提供し、月間ページビューは2600万を超える。

あくまでメディアと位置づけ

 最近では、パソコン誌以外の女性誌、一般誌などの媒体でも、「パソコン用の便利なツールが欲しいならこのサイトに」と紹介されることも多い。自宅で、手軽に、ソフトを手に入れることができるサイトとして重宝されている。

 しかし、インプレス執行役員PC編集統括担当・小川亨統括部長は、「窓の杜というサイトは、あくまでもオンラインソフトを紹介するメディア」だと位置づけ、ソフト提供が狙いではないと話す。

 「未来永劫そういうつもりはないとは言い切れないが、少なくとも現時点ではソフトのダウンロードをビジネスとして行っていく意志はない」という。

 出版社がオンラインソフトを提供するサイトを運営していくことで、次の段階でこれをビジネスにしていくという戦略があるのではないかと考えたくなるが、「今、パソコン専門誌のほとんどがCD-ROMを付録につけている。それを、将来ビジネス化するためにやっているんだろうとは、誰も考えないでしょう? 窓の杜は、あの付録CD-ROMがオンラインの中で展開されていると考えてもらえば、わかりやすいのではないか。出版社として、オンラインソフトを見つけたり、紹介することが目的」だと、ビジネス化という見方を一蹴する。

 「ユーザー側からすると、ダウンロードのためのライブラリーをメインだと思っていて、こちら側のメディアとして情報発信をしている思いとは、ちょっとすれ違っているところがあるのかもしれない。女性誌などで、このサイトに行けば無料でツールが手に入るといった紹介をされるのも、メディアというよりもライブラリーを評価されてのことだし…」と小川統括部長は苦笑いする。

 収益源は広告から。インターネット広告は厳しい環境にあるものの、専門分野に特化したサイトであること、ページビューの多さで、「検討しているといえるレベルではないか」という。

 昨年後半は、ブロードバンド化の影響もあってアクセス数は最高記録更新を続けているという。

 「正直なところ、昨年初めにはそろそろアクセス数も頭打ちなのではと考えていた。ところが8月以降は窓の杜をはじめとしてどのサイトも軒並み月間ページビューの記録を更新した。窓の杜は、土曜、日曜の情報更新をしていない時でもアクセス数が減っていないので、ニーズ自体は決して減少していない。むしろ増えているのではないか」

 ブロードバンド化が進めば、オンラインソフトへのニーズはさらに高まるという声も高い。店頭でのソフトの売れ行きが必ずしも好調とはいえない状況にあることから、オンラインが主流になるのではと見られているわけだが、小川統括部長の意見は冷静だ。

 「すべてがオンラインソフトに置き換わってしまうということはあり得ないのではないか」

 インターネットの強さを知っている小川統括部長が、こう言い切る理由はどこにあるのだろうか。