昨年春の情報処理技術者試験のあらましを紹介しておこう。数字は、順に受験者数、合格者数、合格率である。TEはテクニカルエンジニアの略である。

●基本情報技術者
8万4113人 1万4741人 17.5%

●ソフトウェア開発技術者
5万1225人 8067人 15.7%

●データベースTE
1万1814人 902人 7.6%

●システム管理TE
6765人 463人 6.8%

●システム監査技術者
3282人 236人 7.2%

●エンベデッドシステムTE
2465人 254人 10.2%

●初級システムアドミニストレータ
7万3905人 2万6807人 36.3%

 改定後の最初ということもあって、多少合格率が甘い感じがしないでもないが、受験者数は不況を背景に相変わらず多い。

 これに対する業界関係者の反応も相変わらずだ。

(1)実務に役に立たない
(2)最新技術動向に弱い
(3)海外と対抗する国際性に弱い
(4)認知知識行動力が判定できない これらの批判には、それなりの背景がある。

 (1)は、受験勉強だけに血道を上げるメンバーに困っている現場のプロジェクトリーダーや合格の自信がない中堅技術者の科白だ。合格水準に達するスキルは技術者の必要条件であり、十分条件でないのは当たり前なのだ。

 (2)は基本情報技術者やソフトウェア開発技術者試験を受験したことがないどころか問題を見たこともない関係者のTVキャスターのような評論家的意見であることが多い。基本的知識なしに最新知識もへったくれもないのだ。

 (3)TOEIC700-800点取れない技術者の国際化論議は噴飯ものだ。

 (4)は、当たり前で、国内第2の受験者数を誇る制度にどんな試験が可能かという代替案こそを議論すべきなのだ。

 (1)-(4)に先立つ判断として
→リテラシー、リベラルアーツのような基本的素養
→日本語力、論理的思考力
→もっとも基礎となる専門知識
→英米語:TOEIC700-800点
の試験としては、かなりいい線いっていると見るのが妥当である。

 若い諸君は、雑音に耳を傾けず、恥の感覚や危機感をバネに、受験準備に集中すればよい。試験制度の批判は合格してからで遅くない。