カテナでは、2001年10月から官公庁向けの営業をスタートした。しかし、実際のビジネスではかなりの苦戦を強いられているという。官公庁営業を担当する事業戦略室・岩瀬直樹室長代行に、新規企業が官公庁ビジネスに参入する難しさを聞いた。

新規参入依然厳しく

 ――官公庁向けビジネスで、大変な苦戦を強いられているそうだが。

 岩瀬
 実際に事業を開始したのは昨年10月で、まだ日が浅いのだが、昨年度(2002年3月期)までは私一人が担当だったこともあり、入札に参加することができた案件は1件もないという状況に終わった。

 業者の入札資格という面では、当社はA等級だったにもかかわらず、落札どころか、入札に参加することもままならなかった。

 今年度に入り、担当者を3人に増やし、全省庁全ての案件に対応するようになって、ようやく1割程度応札できるようになった。ただし、まだ落札できた案件はゼロのままだ。

 ――官公庁側では、特定企業ばかりが入札に参加する現状を変えていくと明言し、実際に一部変更も行われているようだが。

 岩瀬
 現状では変化が起きているようには感じられなかった。依然として中小企業やベンチャー企業には高い参入障壁があるように思う。

 ――参入障壁と感じるのは、具体的にどのような点に対してなのか。

 岩瀬
 適合条件が障壁となっている実例として、公示から2週間でプロトタイプのデモを作ることという条件が出ているものもあった。わずか2週間でデモを作ることができるのは、すでに同様の案件で実績をもっている業者が事前に準備が可能だったからだ。これでは、新規参入は難しい。

 また、応札した案件の価格と内容が適当なものであったのか、後学のために確認したいと思っても、落札価格やスペックが公表されないので、確認のしようがない。

 ――米国では落札したシステムの価格やスペックが公表されているという。

 岩瀬
 日本でもそうなれば非常にありがたい。新規参入企業にとっては、情報が少なく、手探りで進めなければならないことが大きなネックとなっている。少しでも情報が増えてくれればビジネスがやりやすくなる。

 今年度からは、官公庁にヒアリングを行い、どういったシステムを望んでいるのかを調査している。しかし、「とにかく使いやすいものを」といったアナログな情報が多い。より具体的な情報がもっと出てくることで、望まれているシステムを適正価格で提案できるようになっていくのではないか。(三浦優子)