“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>9.インテック

2003/06/16 20:43

週刊BCN 2003年06月16日vol.994掲載

 インテック(中尾哲雄社長)の関西地区本部が好調だ。昨年度(2003年3月期)は、関西地区本部で前年度比10数パーセントの売上増になった。粗利益ベースでは売り上げの伸び率を上回る業績を残した。5月末には、本社から業績が良かった本部に贈られる「優秀本部賞」を獲得した。

「T26」で部門の壁突破

 昨年度は、たまたま大型案件が重なったという背景があるものの、業績伸長の理由はそれだけではない。関西地区本部が具体的に取り組んだのは、(1)システム構築の強化、(2)新規案件獲得に向けたタスクフォース(機動部隊)を組織、(3)中小企業向けERP(基幹業務システム)の販売強化などで、これらの諸施策が結果的に業績伸長に結びついた。

 もともと同本部はソフトウェアの受託開発が約半分を占めていた。だが、ここ2?3年でシステム構築分野を大幅に強化した結果、相対的にソフトウェアの受託開発の比率が下がった。

 昨年度、関西地区本部における売上構成比は、ソフト開発が40%、ネットワーク関連が24%、システム構築が23%、アウトソーシングが13%だったが、このうちシステム構築は前年度比約2割増と顕著な伸びを示した。

 同本部では昨年度、「T26プロジェクト」を実施した。これは本部内の各部門の予算(売上および利益目標)以外に、新規案件で26億円を売り上げるというプロジェクトである。

 森田俊明・取締役関西地区本部長は、「通常は各部門とも自分たちの顧客で精一杯。だが、そこであきらめるのではなく、部門の壁を越えて知恵や情報を出し合うことで、新しい発見や新規市場を開拓する」と話す。

 タスクフォースは、顧客に対する新しい提案や企画立案・開発のたびに結成、解散を柔軟に繰り返す。

 システム構築案件では中堅・中小企業向けのERPの販売に力を入れる。財務・人事はエス・エス・ジェイのスーパーストリーム、販売管理は内田洋行のスーパーカクテルが売れ筋。SAPやオラクルなど大型ERPは、本社のビジネスソリューション事業本部と連携して展開するケースが多く、関西地区本部単独では中堅向けERPパッケージが中心。

 スーパーストリームは昨年度約10社に納入した。今年度は5月の段階ですでに10案件の営業展開を進めており、年度内(04年3月期)にはさらに20社への納入を目指す。(安藤章司)
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