“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>18.富士ソフトABC

2003/08/25 20:43

週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載

 コンサルティングからアウトソーシングまで総合的なサービスを提供する“真のシステムインテグレータを目指す”――。富士ソフトABC(松倉哲社長)が、2003年度(04年3月期)にスタートし、05年度(06年3月期)に終了する3か年中期経営計画で掲げる目標だ。計画では営業力の強化に加え、技術力の増強、オリジナルプロダクトやサービスの開発などを図り、エンドユーザーとの直接取引の拡大に努める。

エンドユーザー向けを拡大

 これまで同社は、売上高全体のうち約7割がNECや富士通、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)といった大手コンピュータメーカーから受託した案件で占め、エンドユーザーとの直接取引は約3割に過ぎなかった。05年度には、エンドユーザーとの直接取引の売上高を現在の約3割から5割へと高める方針だ。

 具体的な施策として、(1)プロジェクトマネージャー(PM)の増員、(2)ソフト開発手法の抜本的見直し、(3)情報家電など新興市場の開拓――の3つを掲げる。富士ソフトABCグループ全体で現在約500人のPMを擁しているが、これを05年度までに2倍の1000人に増やす。

 松倉社長は、「PMは人数だけでなく、質的向上も図る。優秀なPMが増えれば、顧客のニーズとウォンツを製品やサービスに結びつけられる。実際のソフト開発は、品質さえ維持できれば、国内・海外問わず生産性の高い地域に移し、競争力を高める」と話す。

 ソフト開発の手法も変える。松倉社長は、「ソフトウェアの部品化を進める。部品化は、当社でも過去30数年間取り組んでいるが、うまく機能していない。専門的過ぎて、部品化の利点を顧客に伝えられなかったからだ。これからは、顧客に分かりやすい部品化に取り組む。例えて言うなら、オモチャのブロックの“レゴ”のようなソフトウェアをイメージしている。

 今年6月末に発表した組織変更では、技術本部とIT事業本部、システム事業本部のなかに、それぞれ「部品センター」を新たに設置した。社内で蓄積してきたノウハウを基にソフトの部品化と再利用を進めるのが目的だ。

 また、製品分野別では、携帯電話やPDA(携帯情報端末)など情報家電関連の売上高比率は約3割強だが、将来的には「情報家電のネットワーク化が大幅に進展すれば、半分まで高まる可能性がある」と期待を込めている。(安藤章司)
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