多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う

<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>6.トレンドマイクロ

2003/09/15 20:43

週刊BCN 2003年09月15日vol.1006掲載

 競合ベンダーが、セキュリティ分野の製品ジャンルを広げているのに対し、トレンドマイクロのビジネスは、コンテンツセキュリティに特化している。ウイルス対策ツールを軸に、商品ラインアップは「ゲートウェイ」、「メールサーバー」、「ファイルサーバー」、「クライアントPC」の4カテゴリー・17製品と、競合他社に比べ数は少ない。

コンテンツセキュリティ製品に特化

■総合ウイルス対策サポートを軸に

 糸賀誠・マーケティング本部長は、「セキュリティ市場は過去に比べると、新しいカテゴリーも増えてきた。だが、コンテンツセキュリティを軸とした当社の事業スタイルは変わらない。これまで手がけてきた製品のレベルアップと、ユーザーやパートナーの信頼度を高めることに重点を置く」と、多様化するセキュリティ市場に左右されない方針を強調する。

 トレンドマイクロの強みは、ウイルス検出・駆除といった基本的な機能だけでなく、未知のウイルス対策の予防措置や復旧・事後対策までをトータルにサポートできる製品にある。独自の管理ツールにより、パターンファイル配布前にウイルスの特徴などを収集した推奨ポリシーを自動配信するなど、サーバーやクライアントを問わず、総合的なウイルス対策機能を提供できることが武器だ。同社ではこのようなウイルス対策のトータルサポート戦略を「TM EPS」として昨年6月に発表した。既存製品を順次、同管理ツールに対応させており、現在は約90%の製品が対応を終えている。「『TM EPS』により、製品の機能、信頼度は飛躍的に向上した」(糸賀本部長)と、他社製品にはない優位性を強調する。

 また、同社が徹底しているのが、パートナーとの協業体制だ。「創業当初から変わっていない当社のスタイル」(同)と、直販は一切行わない100%間接販売を貫いている。現在、約200社のパートナー企業とビジネスを展開している。ここ数年、パートナー企業が増え続けたことにより、その支援体制や連携体制が十分整備できなかったとの反省から、3段階に分けたパートナー認定プログラムと支援制度を昨年設けた。「提供体制の強化や品揃えの拡充に、ここ数年力を入れてきたこともあり、今はようやく一段落できた状態」(同)としている。今後は製品だけでなく、サービスの提供体制をパートナー企業とともに、築いていくことに力を入れる方針だ。(木村剛士)
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