“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>34.NTT-ME

2003/12/22 20:43

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 プロアクティブのトップ販社になる――。NTT-MEは、東日本エリアを網羅するグループ会社17社の営業力を駆使して、ERP(基幹業務システム)の販売に力を入れる。

強みを生かしトップSI目指す

 ERPの主力商材と位置づける住商情報システムの「プロアクティブ」に関しては、「販売パートナー(販売代理店)のなかで、来年度はトップ販社になる」(NTT-ME)と、鼻息が荒い。

 現在、プロアクティブの販売パートナーは全国で約40社あり、トップ販社は、同じ住友商事系の住商エレクトロニクスという。NTT-MEでは、「プロアクティブの販売で、今年度(2004年3月期)は、平均的な商談規模が約5000万円の案件をおよそ10件程度手がける見込みだが、来年度(05年3月期)は、2倍の年間20件を獲得する」ことで、販売パートナーのなかでトップのシステムインテグレータを目指す。

 NTT-MEの強みは、グループ会社である17社の地域会社の営業力にある。関東甲信越全域の社員数はおよそ2万人。NTT-ME東北やNTT-ME北海道などを合わせると2万数千人に増える。

 地域会社のメイン事業は地域に密着した電話回線の保守や、地域の顧客企業向けの通信サービスや機器販売。プロアクティブの販売では、これら地域密着の営業力、情報収集力をフルに活用する。

 プロアクティブ担当の梶原憲一・VoIP&ソリューションビジネス本部ビジネスソリューション担当部長は、「これまでの経験から、まったく取り引きのなかった新規顧客に営業をかけるとき、初訪問から受注までに最低でも10回は訪問する。しかし、NTT-MEグループの顧客ならば、ニーズを把握してから受注まで、平均5回程度の訪問で済むケースが多い」という。

「東日本17か所に本社を構えるNTT-MEグループ各社の1社あたりの顧客企業数を仮に100社だとすれば、それだけで潜在顧客は1700社に達する。日々の営業活動の中から、ERP需要発生の情報をキャッチし、最初の2回の訪問は地域会社で行い3回目からは私の部門からプロアクティブの機能説明およびデモをする担当者を派遣。最後の5回目で契約する」というストーリーが多いという。 

 来年度も、地域会社で最新の需要動向を捉え、東京のNTT-MEプロアクティブ部隊と連携をとりながら、年間で前年度比2倍の20社からの受注を目指す。(安藤章司)
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