年頭所感

【2006年 年頭所感】 NECネクサソリューションズ

2006/01/02 20:37

週刊BCN 2006年01月02日vol.1119掲載

「攻めに転じる」

松本秀雄社長

 06年は“攻めに転じる”重要な年だと位置づけている。ここ数年、システムインテグレーション(SI)事業での不採算プロジェクトで苦労した。顧客への提案段階における見積もり精度の向上やプロジェクト管理の徹底を図るとともに、ゼロからソフトウェアを開発する手法から徐々にパッケージを軸にしたSIの比率を高めた。これにより、不採算プロジェクトを大幅に下げる体制を整えた。

 顧客に提案するとき、パッケージソフトを活用して、完成イメージに近い具体的なプロトタイプを提示することができれば、商談をより円滑に進められる。何もないところからシステムを組み立てようとすると、顧客と当社が思い描いた完成イメージにズレが生じやすくなり、後から手直しすることにもなりかねない。

 不採算プロジェクトを出さない体制づくりが整ったことで、06年は攻めに転じて、収益性を大幅に高める年だ。

 一方で不採算案件の根絶を徹底しすぎると社内の活力を削いでしまう危険もあるので、その見極めが重要だ。顧客に迷惑をかける不採算案件は根絶すべきだが、品質や納期を厳守しつつも、作業に不慣れな若手技術者の育成を兼ねたプロジェクトなどでは採算を割ることも覚悟すべきだろう。

 新しい技術に果敢に挑戦する若手技術者を育て、活気ある会社をつくるためにも、条件付きでの不採算プロジェクトは織り込むべきだと考える。
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