EDI、ICタグを積極導入

オープンの互換性をフル活用

 生産管理システムを刷新したワイヤーハーネス製造の日進電装は、EDI(電子データ交換)やICタグの活用を進めている。

 現在、EDI化することで効果が見込めるだけの受注ボリュームがある取引先のうち、すでにEDI化が実現できているのは全体の約2割。顧客ごとに発注フォーマットが異なったり、発注書がファクシミリで送られてきたりすることがEDI化が進まない背景にある。

 だが、少量多品種で短納期を実現するにはEDI化は必須条件だ。今回導入したウインドウズベースの生産管理システムは、EDIをはじめとする異なるシステムとの相互互換性が、従来のAS/400(現iシリーズ)をベースとしたシステムより高い。低コストでシステム連携を実現できる特性を最大限に活用し、来年度(2007年12月期)末までには主要顧客からの受注量の7-8割のEDI化を目指す。

 コンサルティングを担当したITコーディネータの田中渉・PA情報システム社長は、「低コストでシステムの相互接続を実現できるオープン環境の導入でビジネスチャンスを増やす取り組みだ」と高く評価している。

 EDIという受注窓口を効率化したのちには、ICタグを活用して出荷・納品の管理を徹底していく。

 たとえば、個別の仕様に合わせて受注生産するケースが多い産業用ロボットでは、ワイヤーハーネスの配線も仕様に合わせて変わってくる。1台のロボットを生産するのには多数のワイヤーハーネスを組み合わせる必要があり、日進電装ではロボットメーカーの要求に合わせてワイヤーハーネスの仕分け作業を行ってきた。

 納品先である顧客企業が生産を開始するまでに当該製品用に組み合わせたワイヤーハーネスを梱包して客先に届ける。こうした個別生産に対応した生産体制が日進電装の競争力を高めることに結びつく。

 従来は仕様書を記した表計算ソフトのエクセルと実際の梱包内容とに食い違いがないかを手作業で突き合わせて確認していた。ここにICタグを活用すればワイヤーハーネスのセットが、本当に受注内容どおりなのかを瞬時に何度でも確認できる。

 日進電装の須藤伸一社長は、「バーコードで確認するのと異なり、離れていても読み取れるので使い勝手がいい」と、梱包したのちでも内容物が確認できる利便性を評価する。今年4月、新しい生産管理システムが稼働したタイミングで、一部の製品を試験的にICタグで管理する試みを始めた。来年度以降、ICタグの活用を本格化して製品管理をより徹底していく方針だ。

 今回のシステム導入で最大の課題は価格だった。予算に限りがある中小企業では、「既存のパッケージを活用して短期間でシステムを立ち上げる」(田中・ITコーディネータ)ことが理想だ。安価で完成度の高いパッケージがより多く提供されることが求められている。(おわり)(安藤章司●取材/文)