未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>101.CGENE(シージェネ)

2006/11/13 20:44

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

携帯に特化したビジネスを展開

 CGENE(シージェネ、柳川大直代表取締役)は携帯電話のアプリケーション開発をすすめるベンチャー企業だ。

 起業前、通信会社に3年間勤めていた柳川さんは、そこでシステム周りの知識を吸収し、技術を磨き込んだ。

 「学生時代から起業したいという気持ちがあった」と振り返る。当時、通信会社に勤務するかたわら、起業し、週末には自らの新規ビジネス立ち上げの準備をすすめる「二足のわらじ」をはいていた。8か月後には前の会社を辞めて新会社の会社経営に専念した。その3か月後には初の自社製品のリリースにこぎ着けた。

 設立直後は「顧客の開拓に苦労した」。ITに関係した会社のアドレスを集めて一斉にメールを送信したり、プレスリリースを作成し自社をPRするなどして、認知度を高めていった。

 昨年10月にリリースした最初のサービスが、携帯電話でホームページを更新する「携帯でサクッと更新」だ。ASP展開で1ページ1000円から提供している。これに続いて「ケータイ便」と「VeDaLord」などのサービスも提供しはじめた。

 「ケータイ便」は携帯で必要事項を入れでメッセージをFAXに送信するサービス。エクセル、インターネットによる検索結果も添付することができる。月額料金は数千円から。

 一方、「VeDaLord」は社内のデータベースを携帯から見ることができるようにするサービス。必要な条件を入れて社内のデータベースを検索し、情報を一覧表示することができる。ユーザー認証、使用制限などもかけることも可能となっている。

 さらに今年は、携帯を開いた時の画面をカスタマイズすることができる「携帯デスクトップ」もリリースした。待ち受け画面の代わりに、開いた時にアプリケーションを起動、定期的にインターネットと連動して最新の情報やユーザーがほしい情報を取ってきて表示する。

 販売に関しては、顧客企業にダイレクトで対応しているが、今後は代理店を通して展開していく予定だ。

 「携帯向けにつくったサービスがPCで動くような場合もある。しかしPCのアプリケーションは世の中に山ほどあるため、差別が図れない。このためタッチすることはない」と、あくまで携帯にこだわる。

 「限られた人員でどこまで利益を伸ばしていけるのか、単に会社を大きくするのではなく利益の拡大に焦点をあてたい」と話す。売上構成では、自社のサービスよりも受託開発の比率がまだまだ高いが、ゆくゆくは「構成比率を逆転させて自社サービスで7割、受託を3割に引き下げたい」と抱負を語る。

 「携帯といえば『CGENE』」とイメージされる会社になるのが目標だ。(鍋島蓉子)
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