年頭所感

【2007年 年頭所感】 NECソフト

2007/01/08 20:37

週刊BCN 2007年01月08日vol.1169掲載

「生産革新」

池原憲二社長

 NECグループのソフトウェアファクトリーとして開発生産性の向上に努める。当社はこれまで個々のプロジェクトの単位で生産効率を高める取り組みを行ってきたが、全社的に体系立った生産革新にはまだ至っていない。グループのプロフィットセンターとしての改善活動をより強力に推し進める。

 現在、社内では生産性を2倍に高める計画を掲げている。実現には細部にわたる標準化作業や無駄を省く地道な改善が欠かせない。先進的な製造業の工場を見学するなどして多くのことを学んだ。ソフト開発に役立つあらゆる要素を業種の壁を越えて採り入れる。

 2005年に株式上場を廃止してNECの完全子会社になった。このときNECグループのコストセンターになるのか、プロフィットセンターになるのかを考えた。前者では社員の改善意欲が湧きにくいが後者なら利益を伸ばそうとする努力を引き出せる。利益が増えれば人材育成や生産革新などの投資にまわすことも可能だ。利益を創出し続ける好循環をつくりだす。

 このためにソフト開発の内製化も進める。内製化で技術の熟練度を高めることが生産革新へ結びくからだ。熟練技術者が増えれば新入社員など若い技術者への技術継承も円滑に行える。一方で外注比率は下げる。オフショア開発も外注総額の1割以下に抑えることで技術の空洞化を防ぐ。

 生産性を倍増させるのは決して容易ではない。約5300人の全社員が一丸となって取り組むことで生産革新を実現させたい。
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