未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>108.チェプロ

2007/01/08 20:44

週刊BCN 2007年01月08日vol.1169掲載

プログラム不要で帳票作成

 チェプロ(福田玲二社長)は、業務改善のための情報システム企画・設計コンサルティングサービスの提供や、建設業向けパッケージソフトと帳票ツールを開発している。創業者である福田社長は、半導体業界で「TRON」に携わっていたが、バブル経済が崩壊して多くの企業がBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)に目を向け始めた時、「業務改革をやってみたい」と考え、起業した。

 主力は、建設業向けERPと帳票ツール「Captain Play@(キャプテンプレイア)」。キャプテンプレイアは、「帳票ツールにもBI(ビジネスインテリジェンス)ツールにもウェブ閲覧ツールにもなる画期的なツール」だと福田社長が自慢する複合型ツールだ。帳票ツールは通常、DBとシステムと帳票ツールで情報システムを構成する。帳票機能の修正には、システムを再度組み込む必要があるため、帳票1枚を作成するごとにコストが高くなる。

 だが、キャプテンプレイアは、システムの外からDBにある必要なデータのみを抽出して帳票を作成する。このため、作った帳票はそのままアプリケーションに組み込むことも可能。作成した帳票にはセキュリティを施して、帳票1枚単位でユーザーごとの閲覧や印刷を制限できる。データを加工して分析、企業の意思決定に役立てるBIツールとしても活用できる。「プログラムを組まなくても帳票が作れる」ため、帳票1枚当たりのコストを従来の半分以下に削減することが可能になる。さらにセキュリティのかかった帳票データをどこからでも閲覧できるウェブ環境を構築できる。

 ウェブシステムでは、帳票を印刷すると、文字が劣化したり線が太くなるなど欠点があったが、オブジェクト型のPVF(プレビューアファイル)を自動生成することで、「ずれのないきれいな帳票」が印刷できる。現在、大手企業から中小企業まで100社以上に導入している。

 2007年秋には内部統制を実現する建設業向けの統合型ERPと、キャプテンプレイアのオブジェクト型電子帳票ファイルを改良して発売する予定だ。次のバージョンでは、生成した後で帳票中のセル1マスの数値を逐一修正できるようになる。また、現在は帳票1枚ごとにセキュリティをかけているが、今後は帳票中の各セルに修正制限をかけ、「Aさんはこのセルを修正できるが、Bさんはこのセルを修正できない」というように細分化したセキュリティを実現する。初年度(07年3月期)は300社、将来的には1000社への導入を見込んでいる。

 社名の「チェプロ」は「知恵をプロデュース(生産する)」からきている。「無形のアイデアなどを、技術やビジネスモデルに有形化し、顧客に利益を上げてもらうのが目的」だとしている。(鍋島蓉子)
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