IT Stock Frontline

新興株市場の人気復活

2007/02/05 16:04

週刊BCN 2007年02月05日vol.1173掲載

楽天のTBS株売却が引き金に

 ライブドアショックから1年。低迷の続いた新興株市場がようやく上昇に転じてきた。きっかけとなったのは楽天の急騰。「TBSが楽天保有の自社株についてTOB(株式公開買い付け)を検討」とのニュースが伝えられ、一時は評価損が膨らみ“お荷物”状態だったTBS株の売却の可能性が出たことが好感された。

 仮に現在の株価水準でTBS株を売却すると300億円を超える利益が出る計算になる。楽天の株価は昨年4月の11万円から10月には3万6900円と3分の1に下落していたが、1月22日には7万円台まで上昇。新興株3市場(ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス)で最も時価総額が大きい楽天の急騰は、ほかの銘柄にも波及、売買高が大きく膨らむなかで全面高となった。

 順調に上昇していた新興株市場が暗転したのは、ライブドアに強制捜査が入った昨年1月17日。個人株主22万人を数えたライブドアが市場を去ったほか、IT関連をはじめとした成長企業に対する不信感、業績悪化などを背景に、新興株市場の低迷が続いた。

 そして事件から1年。楽天急騰をきっかけにした株価反転で新興市場株の割安さにも関心が向いている。

 例えば、配当利回りの平均は東証1部上場企業が1.1%なのに対してジャスダックは1.5%。投資家心理の萎縮が成長期待への過小評価につながっている。また、東証1部市場における個人投資家の売買シェアが20%台なのに対して新興市場は50%以上。株価上昇で個人投資家も元気になっている。投資家層が新興株と重なるソフトバンクが活況となっていることが、それを裏づけている。

 昨年後半の行き過ぎた「大型株買い・小型株売り」の動きが修正される形で、小型株とくに新興株の上昇が当面続くとの見方が有力だ。(有賀勝久)
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