独自商材の開発に注力

JFE基幹システム開発で実績

 中堅SIerのエクサ(大水一彌社長)は独自商材の開発に力を入れる。大手製鉄会社JFEスチールの大規模基幹業務システムを3年がかりでつくりあげたノウハウを武器に商材づくりに取り組む。購買業務支援や人事管理システムなどは、すでに他社と差別化可能な商材ができつつある。今後は一般顧客向けの販売を加速させることで収益力を高める。

 同社は日本鋼管(NKK、現JFEスチール)と日本IBMの合弁会社で、JFEスチールの基幹システムを開発した実績を持つことで有名だ。

 JFEスチールのプロジェクトは旧日本鋼管と旧川崎製鉄が2002年に経営統合した翌年からスタート。兄弟会社のJFEシステムズと共同でゼロから組み上げた。05年度までにJFEスチールが投じた総投資額は約300億円、プログラムは2000万ステップに及ぶ巨大なプロジェクトだ。製鉄会社の基幹システムとしては世界で初めて全面的にオープンなアーキテクチャを採用。投資効果は年間100億円を見込んでいる。

 ここで注目すべきは大手ベンダーに依存せず自力で開発したことだ。一部IBMのハードウェアやソフトウェアは使ったが、エクサとJFEシステムズの両社が主体となってプロジェクトを遂行した。蓄積したノウハウは「他社にはない強み」(大水社長)とビジネス拡大の原動力にしていく考えを示す。

 昨年度(06年12月期)は不採算案件の発生で利益が大幅に落ち込んだものの、今年度は独自商材の拡販に力を入れることで業績回復を狙う。

 大水社長は日本IBMの執行役員を06年3月まで務め、その後エクサにきた。この1年あまりは社内で蓄積されたナレッジを整理し横展開できるものを総ざらえして、一般顧客向けに横展開するためのメニューづくりに力を注いできた。

 2月28日にはオリジナルの中堅企業向け購買業務システム「プロキュレックス」を製品化。見積もり依頼から発注、入荷、検収まで資材購買にかかわる一連の業務を支援する。これまでは顧客の要望にそって個別に開発してきたが、今回初めてパッケージソフトに仕立てた。また人事給与システムは、JFEスチールの基幹システムを通じて開発。これまでグループ企業など10社ほどに納入してきたが、「今後は一般顧客向けに展開していく」とグループ外に向けた販売に力を入れる。

 JFEスチールの巨大で複雑な基幹システムを構築するなかで得た膨大なナレッジを蓄積する同社だが、課題もある。それは、顧客へのアピールが足りないことだ。「おとなしすぎるのではないか」と、ハングリー精神に欠けることを大水社長は自戒する。