エンジニアリング分野に重点

集中と選択で利益率を高める

 構造計画研究所(服部正太社長)は、エンジニアリング事業をベースに着実に利益率を高めている。ソフトウェア開発を主体としたビジネスから構造設計など得意とするエンジニアリング分野に重点を移していくことで、同業他社との差別化を図る考えだ。

 1950年代、ビルディングや橋梁などの構造設計に国内で最も早くコンピュータを活用するなどエンジニアリング分野で数多くの実績を持つ。このノウハウを最大限に生かして、都市設計や防災計画、民間企業のビジネスプランのシミュレーションなどの分野で仕事の幅を広げ、収益拡大を狙う。

 エンジニアリング技術を伸ばしていくために、大学や研究機関との連携にも積極的だ。例えば、建物の免震設計の分野では水平・垂直の両方の揺れに強い“3次元免震設計”や一般住宅の価値を算定し中古流通を活性化する効果が期待される“家歴書”作成の支援システム、“津波避難シミュレーション”などの分野で産学連携を進める。

 昨年度(06年6月期)の売上高構成比を見るとソフトウェアの開発業務が過半数を占める。単純に売り上げだけを伸ばすのならソフト開発のボリュームを増やしていく選択肢もあるが、これではもっと規模の大きいソフト開発ベンダーに太刀打ちできない。価格競争に巻き込まれやすく利益率も下がる。服部社長は、「売り上げはいっさい気にしていない」とし、付加価値重視の姿勢を鮮明にする。

 ライバルとして意識するのは、ソフト開発を得意とするベンダーではない。ビジネスモデルや都市開発といったグランドデザインを強みとする野村総合研究所やフューチャーアーキテクトなど、いずれもコンサルティングや設計など上流工程を得意とする会社である。

 構造計画研究所の直近の業績をみると、昨年度は4期連続の増収増益を達成。一時期、業績が悪化したものの、得意とするエンジニアリングに立ち返ることで好転させた。今年度は営業利益率9.7%を目指す。4年後の2011年6月期には営業利益20億円をイメージしており、仮に売上高が100億円あまりで横ばいだとすれば、営業利益率は20%近くなる計算だ。

 今後の課題は収益の柱に位置づけるエンジニアリングの技術力にどう磨きをかけ、付加価値をより高めていくかにある。

 同社の出発点とも言える構造設計は、公共投資や大手ゼネコンへの依存度がどうしても高くなりがちだったが、今は民間企業の事業設計から産業構造のグランドデザインに至るまで「新しい需要が次々と生まれている」。このなかから自らの強みを発揮できる領域をどう取捨選択するかが利益拡大のカギになりそうだ。(安藤章司●取材/文)