多様な業界に構造変化のきざし

 NTTのNGN(次世代ネットワーク)商用サービスが3月末にスタートする。NGNは、従来の電話網がもつ信頼性・安定性を確保しながら、IP(インターネット・プロトコル)の柔軟性・経済性をも備えた「次世代の情報通信ネットワーク」。(1)通信帯域が確保されているため、クリアな音声や映像をネットワーク上で通信可能(2)回線ごとに割り当てた発信者IDのチェックが行われ、なりすましが防止できる──といった特徴がある。

 このNGNというインフラを活用した目玉サービスと目されているのが、IPTV(IPテレビジョン)。IPネットワークを使って放送や映画などのコンテンツを配信するサービスだ。これは一般のテレビにSTB(セットトップボックス)をセットし、ブロードバンドにつなぐだけで「見たいものを見たい時に」受信できる。また、IPTVは技術的にチャンネル数の制限がなく、ユーザーの選択肢はさらに広がる。

 このIPTVはいろいろな業界に構造変化をもたらすことになる。例えばネット広告業界の場合、きたるべき時代に備えてすでに再編の動きがみられる。電通はネット広告代理店オプトに対してTOB(株式公開買い付け)を行い筆頭株主となった。ネット広告メディアレップ(媒体代理店)最大手のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを抱える博報堂の動きが注目されるほか、独立系ネット広告代理店のサイバーエージェント、セプテーニなども再編の渦に巻き込まれる可能性がある。

 インフラ整備では、IP化が遅れている放送業界向け機器メーカーのメディアグローバルリンクス、NGN対応のソフトやハードを開発しているネクストジェン、NGNミドルウェア開発のソフトフロントなど。また、映画、アニメなどのコンテンツ各社も注目される。(有賀勝久)