強気な企業は株価上昇

 2009年3月期の企業収益は8年ぶりに経常減益に転じる見通し。原油価格高騰による燃料高・資材高、ドル安による輸出採算の悪化、さらに米国の景気減速懸念などで東証1部上場企業全体では7-8%の減益になるという。ただ、これはかなり慎重という見方が多い。会社側が一番嫌うのは期の途中での業績見通しの下方修正。投資家の信頼を失い株価が下落という事態は避けたい。為替相場など環境が読みにくいので、今期は控えめな見通しを出す企業が多い。例えば、トヨタ自動車の30%経常減益見通しには「慎重過ぎる数字。社員の危機感を煽るためでは」というアナリストの声も聞かれる。

 そうしたなか株式市場では、今期強気の見通しを出した企業の株価上昇が目立つ。大手ハイテクはその代表で、予想以上の好決算だったソニー、純利益が過去最高の松下電器産業と並んで、NEC、富士通も人気を集めて株価は上昇トレンド。

 NECは今期営業利益1700億円(前期比8%増)の見通し。円高が150億円の減益要因になるが、NGN関連の増加などによりカバーするとしている。また、子会社のNECエレクトロニクスの業績拡大(今期営業利益100億円は前期比約2倍)も寄与。自動車やデジタル家電用に半導体が伸びる。株価は好業績を好感して急騰、本年高値を更新した。なお、NECエレクトロニクスは米国の投資ファンドが約6%の株式を保有、親会社のNECに株売却を要求して話題を集めている。

 富士通の今期営業利益は2200億円(前期比7%増)の見通しで、決算発表を当初予定から2週間延期した。「海外の会計監査に時間がかかる」というのがその理由。今期は中国を含めて海外でサーバー販売が伸びる見込み。台湾当局からも大規模基幹システムを受注し、株価にはプラス材料となった。(有賀勝久)