セキュリティ背景に拡大必至

 シンクライアントシステムを導入する動きが目立ってきた。シンクライアントシステムとは、端末にデータやアプリケーションを置かず、サーバー側がこれらを管理するもの。端末にデータなどが蓄積されておらず、USBなどのインタフェースも極力排除されているため、データを外部に持ち出すことができない。企業の情報漏えいや個人情報流出による被害が深刻化するなか、対応策として導入する企業が増えている。また、地震や災害などが発生しても、事業を継続させる対策として有用。端末用の記憶装置の必要がないため、IT機器の省電力にも寄与するというメリットもある。

 現状では、サーバーの初期コスト増加といった課題もあり、本格普及には至っていない。だが、今後は企業のセキュリティ意識の高まりを背景に、市場拡大は必至だ。

 NECや富士通、日立、HP、デルといった大手PCベンダーは、シンクライアント市場を有望ととらえ、関連事業に力を入れている。例えば、NECでは、仮想PC型Virtual PC Center、ネットブート型、画面転送型という3つのシンクライアントシステムを揃える。NECは在宅勤務を全面導入することを明らかにしており、そのセキュリティ対策としてシンクライアントを活用する。

 新興市場の企業では、次世代ネットインフラを開発するフリービットがシンクライアント関連株として有望。同社の生体認証型USBノードは、ITソリューション会社のシンクライアントサービスのラインアップとなったほか、一部の地方自治体でも採用された。ターボリナックスも同様のUSB製品の販売や関連ソリューション事業を展開している。またMCJは、子会社が法人・個人向けにシンクライアント式パソコン端末の受注生産を行っており、市場拡大の恩恵を受けそうだ。(有賀勝久)