狙え!業界デファクト 実績で頂点に立つISV製品

<狙え!業界デファクト 実績で頂点に立つISV製品>第8回 T&D情報システムの事例(上)

2008/10/06 16:05

週刊BCN 2008年10月06日vol.1254掲載

 太陽生命保険と大同生命保険、T&Dフィナンシャル生命を中核とするT&D保険グループの情報処理会社であるT&D情報システムは、顧客サービスの向上を徹底的に追求したシステム構築に力を注いでいる。その一環として改善したのが保険設計書のプレプリント。タイムリーな保険設計書作成を可能とすることで営業担当者の業務効率化を実現し、結果的に顧客への付加価値サービスを提供できる基盤を整備した。(佐相彰彦●取材/文)

保険設計書のプレプリントを改善

顧客サービス向上を徹底追求


 加入すれば、今後の人生も一安心できる「生命保険」。医療や介護、死亡保障など、その種類は多岐にわたり、しかも生保会社もさまざまである。では、加入者にとって最適な保険というのは、どの会社の、どの保険なのか? 生保会社が提供する広告・PR活動をはじめ、インターネットや友人からの紹介、クチコミなどで情報を収集するのが一般的だろう。

 ただ、いざ保険に申し込むことになれば、最も信頼できるのは生保会社の営業担当者による提案にかかってくるのではないだろうか。フェイス・トゥ・フェイスで各加入者に接し、適した保険を次々と紹介する。顧客を志向した提案にこそ、加入者は安心できる。そこで重要になってくるのは、営業担当者が作成する保険設計だ。できるだけ詳しく分かりやすいプランを顧客に提案するためには、設計段階での業務効率化が図れたほうがいい。

 そこで、T&D情報システムは営業担当者が自らタイムリーに保険設計や申込書を作成できるように、従来のプレプリントを見直し、帳票運用の一元化を実現した。「顧客サービスの向上が大前提」。こう話すのは天津信・常務取締役である。「保険設計書の作成が煩雑で営業担当者が事務処理ばかりに追われていては、顧客を満足させる提案ができない。先進のテクノロジーを採用することでサービスを徹底追求して欲しい」との太陽生命の要望でシステム改善に踏み切った。

 営業支援に向けたシステム強化は06年から。携帯端末を利用しホストの顧客管理を活用したタイムリーな営業活動を支援するように、一括集中管理のウェブベースのシステムを構築した。帳票については「保険設計書の用紙は数十種類あった」と、天津常務取締役は振り返る。導入前は、そのつどプレプリント用紙をセットしていたが、これをすべて白紙に変えプリントできるようにした。

 ただ、汎用化することで顧客に対するサービスが落ちてしまっては意味がない。分かりやすく商品を提案するには多彩な帳票設計が必須となる。そこで、ウイングアーク テクノロジーズの次世代帳票開発ツール「SVFX-Designer」を採用した。

 同社がウイングアーク テクノロジーズ製品を採用したのは、もともと社内事務でSVFを活用していたためで、両社は01年からの付き合いという。メーカーとユーザーという関係ではあるが、「ウイングアーク テクノロジーズさんには、パフォーマンスや表現力など厳しいニーズに真摯に対応してもらっており、協業関係だと思っている」と、天津常務取締役は強調する。

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