米国のサブプライムローン問題は、ついに世界恐慌寸前の金融危機にまで飛び火した。米欧の政府が足並みを揃えて銀行への資金投入を表明したことで、株式市場はかろうじて踏みとどまっているが、先行きは不透明だ。同時に気がかりなのは、金融危機が国内の消費にどこまで影響を与えるかという点である。住宅、自動車などの耐久消費財が軒並みマイナス成長となるなかで、唯一「勝ち組」とされてきたデジタル家電も、景気と無縁というわけにはいきそうにない。

 BCNランキングの店頭販売データで8月の販売台数伸び率をみると、薄型テレビは北京五輪の余勢をかって前年比133.5%と高成長を維持。またPC本体でも、低価格ノートPCの伸長を受けて台数が128.4%、金額も103.8%と堅調である。


 しかし気になるのは、高価格帯の伸びが鈍化傾向にあることだ。例えば、薄型テレビのなかでも大画面の「50型以上」の伸び率は、1-2月の127%から9月は前年並みにまで下がってきた。「50型以上」の平均単価は34万円前後。メーカーはこれまで、大画面モデルへのシフトを進めることで普及機クラスの利ざやを補ってきた。この図式が崩れ始めると、テレビ事業の収益構造は大きな見直しを迫られることになる。


 一方、5万円台のミニノートがけん引するノートPCの分野では、さらに強烈な低価格商品への地滑り現象が起こり始めている。ミニノートは当初7インチの小型液晶が中心で、既存のA4やB5ノートとは競合しないネット専用端末として売れてきた。夏場まではミニノートが呼び水となって、A4やB5の販売も増加するという相乗効果を生んできた。


 ところが7月以降、エイサーやHPが8.9インチの液晶搭載モデルを5万円台で投入したことから情勢は一気に変化。9月にはB5の台数が前年比62.6%と激減し、A4も前年を10%近く下回った。液晶の画面は小さくても、価格は半値というミニノートを、A4ノートPCの代替機として買い換えるユーザーが増え始めているのである。


 こうした生活防衛的な消費者の低価格指向に加え、半導体や液晶パネルの世界的な値崩れも相まって、年末商戦の価格競争はこれまで以上にし烈な展開が予想される。ミニノートのように、割り切った機能の低価格モデルで需要の拡大に乗り出すか、高機能モデルで収益の確保を優先するか、メーカーにとっては難しい舵取りを求められることになりそうだ。