ソフトバンクが象徴的に乱高下

 株価下落にようやく歯止めがかかった。日経平均は一時7000円割れと26年ぶりの水準まで下落したところで反転、9000円台まで戻る場面があった。各国の政策協調に加え、国内では景気対策や株価対策が効を奏した格好だ。企業収益の悪化、景気後退への警戒感は強く、まだ株価は不安定だが、PBR(株価純資産倍率)など指標は異常な割安水準にあり、不安心理後退で日経平均7000円割れは歴史的な安値になりそうだ。

 そうした株価反騰の中でクローズアップされたのが個人投資家。東京証券取引所によると10月の個人投資家の買い越し額は1兆円近くまで膨らんだ。ネット証券の口座開設急増が話題になるなど個人投資家の姿勢変化が聞かれたが、それを裏付けるものとなった。現行の証券優遇税制の3年間延長も追い風になったようで、「長期投資なら絶好の買い場」との見方が増えたようだ。

 もっとも、個人投資家が大きく買い越しといっても、新たに始めた人やしばらく休んでいた人の割合が高いと推測される。信用取引などで頻繁に売買していた投資家は今回の株価下落で大ダメージを受けている。長期運用の個人投資家が株価下支えになるとの安心感はあるものの、急速な株価修復は期待薄のようだ。

 そうしたなか、個人投資家の心理の揺れを象徴しているのがソフトバンクの動き。今年2月の高値から10月末には638円まで急落した。しかし、そこから急反騰して11月12日には1400円台と短期間に2倍以上に値上がりした。話題になったのは中国でのインターネット事業。30%出資する中国のアリババ・グループのTaobaoの取引高は2007年の7000億円から現在は1兆8000億円に拡大したといい、成長の可能性が好感された。しかし、その後は孫社長の保有株比率低下の発表で急落するなど、株価は目まぐるしい動きになっている。(有賀勝久)