新興市場に統廃合の可能性も

 2009年のIT関連企業の株価を見るうえで、その収益動向に関心が集まりそうだ。 経済産業省による08年7~9月の受注ソフトウェア市場は前年同期比で1.1%増加。しかし、国際的な金融危機の影響が本格的に出始めたのは10月以降。証券、銀行などの金融関係や製造業でIT投資見直しの動きが出始めているようだ。SIer各社の10~12月の受注・収益動向が明らかになるのは1月末から2月にかけて。減速のスピードが注目されるが、そのなかで大手企業の健闘、中小企業の苦境が明確になるかもしれない。

 明るい話題としては「クラウドコンピューティング」が大きなテーマとして浮上してきそうだ。ユーザーが作業を行う時に、自分のPCや会社のサーバーを使うのではなく、インターネット上のサーバーを利用するもの。企業にとってはコスト削減、既存システムとのスムーズな結合が可能なことから景気後退のなかでも関心を集めることになろう。

 一方、IPO(株式新規公開)はどうか。新規上場企業数は08年には49社(07年は121社)に急減、13年ぶりの低水準になった。IPOを計画していた企業のなかには、業績悪化に加え、株価低迷で想定していた資金調達が見込めなくなり、上場計画を先送りするところが増えているようだ。09年のIPO社数は08年とほぼ同水準にとどまるとの見方が多い。

 IPO減少、株価低迷で、新興市場の再編が進む可能性もある。大阪証券取引所によるジャスダック取引所の買収が昨年末に完了した。大証が運営するヘラクレス市場は2年後をメドにジャスダック市場と統合される。この2つのほかに、国内には4つの新興市場がある。いずれも2000年のITバブルにかけて開設されたもの。地盤沈下が進む地方証券取引所の新興市場を軸に統廃合が起こる可能性がある。(有賀勝久)