年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 コア

2009/01/12 20:37

週刊BCN 2009年01月12日vol.1267掲載

ビジネスモデルの変革

井手祥司 社長


 15年前、バブル経済の崩壊でソフト開発需要が激減。辛酸をなめた。以来、組み込みソフト開発の強化や全国で分散してソフト開発を行う体制の構築、オリジナル商材の創出など、ビジネスモデルを大幅に変えてきた。2009年は再び不況に直面しており、これまでの当社の改革の成果が試される年になる。

 組み込みソフトでは、ファームウェアやドライバーなど基礎技術を重点的に伸ばした。こうしたノウハウを応用して世界最高水準の感度を持つGPS(全地球測位システム)チップを設計。チップメーカーなど2社から受注を獲得している。さらにチップを設計する際の配線構造を動的に変更できる専門性の高いソフトも独自につくるなど、強みを生かした製品展開を推進。テロ防止に役立つ海外製の行動分析ソフトの日本語化も手がけており、昨今の社会情勢もあって引き合いが強い。

 ソフト開発では、ネットワークを駆使し、高いセキュリティを保ちながら全国の拠点をリモートで結んで開発する“リモート分散開発”の体制も強化。受注環境が激変し、部分的にSE・プログラマに余剰感が出ることも考えられる。受注量が多い地域から少ない地域に仕事を柔軟に振り分けることで空き工数を抑制。人員を効率的に稼働させる。

 専門性を存分に生かした商材やリモート分散開発は不況下でも有利に働く。今後もビジネスモデルの変革を推し進めることで、厳しい経済環境下でも事業拡大を目指す。
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