地場有力ITベンダー 未来を語る

【島根県】マイメディア 生鮮三品の流通に特化

2009/10/09 20:42

週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載

 「地域活性化に地場ITベンダーの果たす役割」とは何か。創刊1300号を数えた「週刊BCN」では、このテーマを掲げて全国巡回取材を敢行し、47都道府県の有力ベンダーの代表者からナマの声を拾った。最終回となる第4弾をお届けする。  地域経済格差が広がるなかで、地場の中堅・中小企業を活性化させる“源流”となるのはITであることを確信している。地場ITベンダーが地域活性化で果たすべき役割はますます大きくなっている。はたして各社は、この重要な役割にどう応えているのか──。

秀浦実晴 代表取締役
 島根県の西部、益田市に本社を置く当社は、生鮮三品(食肉、鮮魚、青果)の小売業向けシステムを主力としている。

 例えば、ユーザーの本社が各店舗に売り上げ、仕入、棚卸などのデータを報告させ、そのデータを蓄積、抽出する営業支援システムと会計システムと連動させるといった、一気通貫のシステムを提供してきた。

 鮮魚、青果、精肉はそれぞれ店頭で、切り身になったり、惣菜になったり、ミンチになったりと、その形状を変えるので、細かく分類した入力が必要となる。したがって、パッケージソフトだけでは対応しづらい面がある。当社では、パッケージにできる部分はパッケージ化し、必要に応じて手組みするなど、柔軟に対応してきた。

 最近では牛に関連するシステムに力を入れている。畜産業者や、精肉加工業者から小売業者に対してシステムを提供することで、一貫したデータの流れにより、生産物が円滑に流れる仕組みを提供している。

 牛の生産者側がRFIDなどで個体管理し、さらに食肉加工業者では部位ごとに抗生物質の記録や病歴などを記録したものを出荷する──といった一連の流れをパッケージソフトで提供している。

代表者…秀浦実晴 代表取締役
売上高…3億3000万円
利益率…公表せず
主要顧客…小売業者、牛の畜産業など
ハードとソフトの比率…2:8
県内・県外比率…1.5:8.5
 現段階の事業の比率としては地域のインターネットプロバイダ事業が3、生鮮食品が5、そして今後成長の柱として考えている牛関連その他が2の割合だ。また、地場の産業へのITシステム、サービス提供といえば、特産の屋根瓦を製造する企業に特化したシステムや、スーパーのPOS、EOS(オンライン受発注システム)を代行する事業がある。

 近い将来、牛関連の事業の比率を現状の2から4ないし5まで伸ばし、事業の柱に成長させたい。2004年に投入した牛関連のソフトウェアを販売するに当たって、翌05年、専門の販売会社「イノビット」を設立した。5年間で48億円の売り上げを目指している。
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