視点

プロコン国際大会の発進

2009/12/24 16:41

週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載

 創造性育成教育として定評のある「全国高専プログラミングコンテスト(プロコン)が、2009年、第20回の記念すべき大会を迎えた。このプロコンは、NHKが放映するロボットコンテストと並んで、高等専門学校(高専)の二大文化イベントである。例年熱戦が繰り広げられ、学生の開発した独創的なソフトウェアシステムは毎年、各界の話題となっている。

 この記念大会を機に、NPO法人高専プロコン交流育成協会(NAPROCK)は、産学官が連携して高度なエンジニア育成教育を充実させ、情報産業のグローバル化への対応を果たすことを目的として、念願であったプロコンの正式な国際大会「NAPROCK第1回国際大会」を主催した。

 大会は、09年10月17-18日の両日、千葉県木更津市のかずさアカデミアホールで開催され、ベトナム、中国、モンゴル、台湾そして日本の若者が集い、高度な技術を競う一方、幅広い交流を深めることができた。若者たちは、「集まれ手作りの未来たち -海を越え!翔けろ!橋になれ!-」の大会スローガンのもと、課題部門と競技部門に参加した。

 課題部門には五つの国と地域の23チームが、「ゆとりを生み出すコンピュータ」というテーマに即して開発したオリジナルのソフトウェアを発表。学会形式のプレゼンテーション審査、実機を前に動作させながら説明をするデモンストレーション審査、そして記述の的確さが評価されるマニュアル審査の厳しい難関を突破して、上位入賞を目指すことになる。また、競技部門の決勝戦では、数色のパネルが配置され、マス目状に区切られたフィールド上で、その一部の領域を回転しながら、色ごとに連続した領域にまとめるパズルゲームに、3か国の8チームが勝利を目指した。

 第1回国際大会の最優秀賞および第2位は両部門とも日本勢が占め、海外からの参加チームは、いずれも特別賞の受賞という結果であったが、どのチームもベストを尽くし、満足感に浸っていた。海外からの各チームは、共に過ごした5日間で大いに交流を深めた。大会の意義を十分理解するとともに、今後のスキルアップを強くアピールしていたのが印象的であった。

 この大会の開催に至るまでには、内外の関係者の並々ならぬ尽力が欠かせない。ことに、この厳しい時期での協賛企業のご厚意には頭が下がる。意義ある大会の拡大のために、産業界のさらなるご助力を賜りたい。
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外部リンク

全国高等専門学校プログラミングコンテスト=http://www.procon.gr.jp/